検索窓
今日:21 hit、昨日:97 hit、合計:453,709 hit

27.苛立ち ページ27

「大した精神力だな」
『……』

男の隣に大人しく立っているヒソカを見やる。…男を睨んだりはしていなかった。

昨日と今日の間には夜がある。…私が寝ている間に何かあったのか。いや、何かあったんだろう。でなければこのヒソカの様子には納得できない。あの、この男が大嫌いなヒソカが笑顔で隣にいる訳がないのだ。

…折角ヒソカが自分の意思を示すようになってきたというのに…。

『ヒソカ』
「なんだい?」
『君がそっちを選択したのなら分かった。けれど、私の意志は変わらないよ』
「……そう、それで?」
『つまり、私が君と逃げることに揺るぎはない』
「はっはっは、堂々と逃げる宣言するとはな」

…今はヒソカと話してるんだから話に入ってくるなよ、と怒りは覚えつつも顔には出さない。

「…貴女を逃がしはしないよ」

すると男の顔が近づき唇に触れるか触れないかの所でリップ音を鳴らしてきた。

「……ああ、近くで見ると…ほんとに…美しい…」
『………………』

…き、気持ち悪っ!

心のなかでそう叫ぶ。触れてないのに口を洗剤で洗いたくなった。蕁麻疹のような症状が身体中に湧いて出ているようだった。というか本当に気持ち悪い。今になってヒソカが冗談で言っていたことも本当な気がしてきた。

「………貴女の瞳は、なんて綺麗なん」
「早くいかなくて良いのかい?」

ヒソカの声だ。

男の眉がピクリと動いた。少しの期待を込めてヒソカを見てみる…がやっぱり良い笑みを浮かべているだけだった。

「ああ、そうだった。…さ、まずはこっちに来てもらうよ」

男はヒソカを一度見てから歩き出した。同時に、背中に銃を強く押し当てられる。どうやら着いて歩けってことらしい。

振り向くが手下の男の肩でヒソカは見えなかった。…あぁ、まだヒソカと話したかったのに。

消化不良な感じだがこの場で何か出来ることもない。私は我慢すると決めたのだから。

仕方なく私は歩き出した。









「…………」

_ギリ

誰もいなくなった空間でヒソカの歯軋りだけが響いた。

28.洗浄→←26.違和感



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (419 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
659人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

キヨラ - これからもがんばってください。 (2018年10月23日 18時) (レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 花菜さん» そう言って頂けると嬉しいです!続編まで行きました!引き続きお楽しみ下さい。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - sataroさん» 励みのお言葉ありがとうございます!続編まで行ったのでお楽しみ頂ければ幸いです。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - すごく面白くてとても続きが気になります!!更新がんばってください!(*´∀`*) (2018年3月21日 14時) (レス) id: b7876a4134 (このIDを非表示/違反報告)
sataro - 凄く読みやすく面白いので続きがまだかまだかと気になります笑更新応援しています! (2018年3月15日 16時) (レス) id: 4a264aed23 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Justice RPG | 作成日時:2018年1月7日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。