28.洗浄 ページ28
「入れ」
そう言われ、言われた通りにその部屋へと入る。
目に飛び込んで来たのは色鮮やかなドレスたちだった。それもパーティードレスのようなものから、ウエディングドレスのようなものまである。
「そうだな…これか…いや」
男はそのドレスを手にとっては戻し、手にとっては戻し……て、なにやってるんだ。
『えっと…何してるのか聞いても？』
「その格好じゃ出せないからな……ま、ある種の物好きは好きそうだが俺が売りたいのはそういう客じゃない」
『………』
あー、なるほど。
自分の姿を見て納得する。
服の裾は摩り切れ、滲んだ血は変色していた。今なら段ボールを家とも呼べるかもしれない。
そういえば、あのとき腕や顔についた血は海で流れたのか。…サメに食べられなくて良かった。
「お前ら先ずは風呂に入ってもらう。おい」
「「はい」」
初めから居たのか、ドレスの影から女の人が二人現れる。丈の長いメイド服を着ていた。…使用人、の類いか？
この男お金には余裕がありそうだものな。こんな商売をやっているくらいだし。
「こちらへ」
女の人は私の肩を押し部屋の奥へと誘導する。抵抗することなくつれてかれる。
扉が開かれ、そして閉められた。
『！っわ、わわ』
「動かないでください」
『いや、そう言われましても』
！いやだっていきなり服に手をかけられ、あろうことか脱がそうとしてくるのだ。驚くし、反射的に抵抗してしまうのが普通だ。
…さっき男が風呂とか言ってたな。そのままの意味なら私を風呂に入れろってことか。
『じ、自分で脱ぎますので』
「そうはいきません」
反論も空しく女の人二人は淡々と私の服を脱がしにかかる。これがこの人たちの業務なのだろう。手慣れた、隙を与えない手際だった。
『あ、それは取らないでください』
十字架に手を出したことに制止をかける。
「そうはいきません」
『それしか言えないんですか。とにかくそれだけはダメです』
「…………ですから」
『私が着ていた服を見たでしょう。…どんな時でも神への信仰を怠るわけにはいきません』
「…………」
シスター服であったのをいいことに、適当な理由をつける。彼女たちの肩に手を置き、目を合わせるというオプション付きで。
すると十字架から手を下ろしてくれた。…良かった。
恐らく、私が着ていたものは捨てられるだろう。シスター服はぼろぼろの為仕方ないが、十字架くらいは残しておきたい。
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キヨラ - これからもがんばってください。 (2018年10月23日 18時) (
レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - 花菜さん» そう言って頂けると嬉しいです！続編まで行きました！引き続きお楽しみ下さい。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
Justice RPG(プロフ) - sataroさん» 励みのお言葉ありがとうございます！続編まで行ったのでお楽しみ頂ければ幸いです。 (2018年3月27日 18時) (レス) id: 14e35c6c6f (このIDを非表示/違反報告)
花菜(プロフ) - すごく面白くてとても続きが気になります！！更新がんばってください！(*´∀｀*) (2018年3月21日 14時) (レス) id: b7876a4134 (このIDを非表示/違反報告)
sataro - 凄く読みやすく面白いので続きがまだかまだかと気になります笑更新応援しています！ (2018年3月15日 16時) (レス) id: 4a264aed23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2018年1月7日 2時
