弐拾陸 ページ26
「蘭さん、お持ちしますよ」
お兄さんが蘭さんの持つ袋に手をかけたのを見て自分も手を伸ばす。
『あ、いえ。流石に私が』
「お気になさらずに。私がいるのはこのためのようなものですから。それに、女性に物を持たせるような男ではありませんよ」
『………』
そう、柔らかい物腰できっぱりと断られては何も言えなくなる。
『………ありがとうございます』
「！……いえ。私のことも頼って下さいね」
『はい』
お兄さんの言葉に頷いてから蘭さんに視線を戻す。蘭さんの持っていた袋は既にお兄さんが持っていた。
「それじゃあ次は…洋服買いに行こっか！」
『はい』
蘭さんが私の手を掴んだ。
＿瞬間。
『！…………』
独特の感覚。
見慣れない、影。あれは。
『……………』
「…Aちゃん？」
……ああ、知らないわけがない。
『…鬼だ』
「！！」
「！………」
私の呟きにお兄さんと少年が反応した。
「お…おにって？」
蘭さんはよくわかっていないように問う、前に私は柵に飛び乗っていた。
「！Aちゃん！？」
どこだ、どこにいる。この建物は十二階建てらしく、中央はくり貫かれているように下から最上階まで空洞だった。空洞と床との仕切りになっている柵に立ち、空洞を見下ろす。私が今いる階は八階。
地層のような断面に目を凝らす。意識を研ぎ澄まさせる。…こういう時はこの造りも悪くないな。敵を探しやすい。
いた。
私は柵から飛び、目的の場所へと着地する。三階。そこの角。
自然と刀は既に袋から出していた。帯に差すことが出来ないため、しっかりと握りしめる。
角を曲がれば暗闇だった。丁度光が当たらず、光源もない。こういう場所は鬼にとって格好の場所。
「…お願い…誰かっ…！誰かたす、たすけっ…！！」
つんざくような悲鳴。そいつが女性の腕に噛みついていた。…わざわざ噛む必要はない。楽しんでいるのか。私を挑発しているのか。…後者だろうな。
私は鬼の腕を切り落とす。叫び声が増えた。挑発に乗った訳ではない。単純に女性の精神がギリギリだった。
「っぁああ！！くそがぁああ！！」
首を落とそうとしたが女性を盾に取られる。なら、と鬼のもう片方の腕も落とす。それによって女性を拘束出来なくなった。女性を引き寄せ、もう一度首を跳ねようと振るうが、頭の半分より上を斬っただけだった。…首を跳ねなければ意味がない。
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ゆら - とても続きが気になる物語だったので、時間があるときに更新よろしくお願いします。頑張ってください！ (2020年6月21日 12時) (
レス) id: a43add877a (このIDを非表示/違反報告)
ユナナ(プロフ) - こんにちは！"浮世離れの今日"を見させていただきました！好きな漫画がコラボで出てきている…もう喜びを超えた嬉しさです笑 後の展開がとても気になります！技の名前も高クオリティで普通に鬼滅の刃にで出来そうです笑 また続きをお待ちしています笑 (2020年1月8日 11時) (レス) id: 0bea8b4a9d (このIDを非表示/違反報告)
JRPG(プロフ) - 作者です。更新しました。楽しみにしてくださっていた方遅くなりすみません…。沢山のコメントありがとうございます。全部読んでます。引き続きお楽しみ頂けたら幸いです。 (2019年10月31日 9時) (レス) id: 0e0a111648 (このIDを非表示/違反報告)
綺咲裕翔 - めちゃくちゃ面白いです！！続きが気になるー！楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年10月27日 10時) (レス) id: 93b6603b06 (このIDを非表示/違反報告)
南無阿弥陀仏(プロフ) - 続き待ってます (2019年10月24日 14時) (レス) id: 1cf60bec73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Justice RPG
| 作成日時：2018年9月15日 21時
