それでも俺は、 (ページ22)

今日:12 hit、昨日:17 hit、合計:61,263 hit

22 ページ22

流星side

授業の話なんかまともに聞きたくもなくて

窓際の席から、外を見た。

赤いジャージ、先輩の学年や。

なにも考えずに眺めてたら、あいつがいて。

その隣には、先輩がいた。

あの二人、付き合ってるんやっけ。

この前手繋いでたし。

楽しそうに話して、笑って。

そんな可愛い顔、他の奴に見せないでください、って

まだ彼氏面して。

ちゃんと先輩のこと考えて行動していれば、

今先輩のそばにいたのは俺やったんかな。

もう別れたのに、先輩への想いはどんどん膨らんで。

あいつが先輩と話してるのを見るだけで、

先輩に触れてるのを見るだけで、

胸の奥が痛くなる。

先輩もずっと、そうやったんかな。

俺が女とばっか遊んで、

先輩よりも女を優先して

最低や。

なんでもっと大事にできなかったんや。

素直に大好きって、

伝えられなかったんや。

俺がこんなんやから、

やから先輩はあいつを選んだ。

あいつ、先輩のことちゃんと見てたから。

俺なんかよりもずっと、先輩の気持ち考えてたから。

俺はもう先輩のこと諦めなきゃいけない。

分かってるのに、今さら後悔して

自分の間違いにやっと気づいて。

もう戻れないことくらい分かってる。

でも、どうしても好きなんや。

好きで好きで仕方ないんや。

どうやったらまた戻ってきてくれますか？

どうやったらまた俺のこと好きになってくれますか？

どうやったら…………