不器用なふたり[２]

５ ページ33

神山side

今日は仕事が長引いたから、そのまま店まで直行。

しげは淳太さんの家行くとか言ってたな。

いいなぁ、俺も早くのんちゃんと付き合いたい。

なんて考えてたらあっという間について。

お客さんを見送ってたのんちゃんとばったり。

桃「お、今日は仕事終わり？」

緑「うん、ちょっと長引いて、」

桃「お疲れさん」

頭撫でられて

ドキドキするに決まっとるやんか。

やって好きな人やもん。

桃「顔真っ赤」

緑「………知っとるし」

どうやったらのんちゃんはドキドキしてくれるん。

桃「行こ」

先を歩くのんちゃんについていく。

まだ二日目やのに、もう心おれそう。

やって、のんちゃんの目に俺はうつってへんもん。

淳太さんばっかり。

気づいてんで、たまに淳太さんのこと見てるの。

ほら、今やって。

こんなこと、俺らしくないけど

よそ見してるのんちゃんの顔を両手で挟んで

あぁ、恥ずかしい。

もう顔赤くてもいいや。

緑「………俺のことも見て」

俺はのんちゃんのことしか見えへんのにな。

桃「ごめんごめん」

笑って頭撫でられて

やっぱり顔は熱くなる。

俺って、ほんまにのんちゃんのこと大好きなんやな。

今さらすぎるけど。

あの頃と同じくらい、いやもっとかな、

のんちゃんのこと好きすぎてどうにかなりそう。

でも、俺だけが好きなのはもう嫌や。

決めたもん、振り向かせるって。

俺はそんな簡単に諦めへんよ？

緑「のんちゃ、」

告白だって何回もするし、

のんちゃんが好きになってくれるまで、自分磨きも頑張る。

やから、やから………

緑「デート、してくださいっ」

夢やったんや、のんちゃんとデートするの。

もうためらってる時間はないから。

桃「どこ連れてってくれるん？」

どこ、………そこまで考えてへんかった。

桃「ノープラン？」

緑「ちゃ、うよ！今！今ちゃんと考えてる！」

えっと、えっと………

行きたいとこはたくさんあるけど、でも………

ずっと憧れやった、

緑「俺ん家…………あかんかな」

好きな人と、お家デートしたいって。

断られたらどうしよう、俺の家嫌って言われたら………

桃「ええよ、神ちゃん家」

緑「………ほ、んま？」

桃「ん。」

やった………！

叶ってもうた、のんちゃんが家に来てくれるんや。

よし！明日は大掃除や。

コップとか、色々かっとかな。

こんなこと二度とないかもしらんから、

のんちゃんに良いとこ見せたる。

６→←４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す