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そこまで...
きちんと見て考えてくれたんだ。
うれしくなると同時に急に胸がもやもやしだす。
それって迷惑じゃないかな。
和典も見えなくなっちゃうよね?
和典は私より背が高いって言ってもきっとここよりは見えづらいよね。
「いいのに...」
そう思わず呟いた。
すると。
「お前は謝んな。」
思わず横を振り向く。
そうつぶやいた和典の顔は表情が読めなくて。
怒ってるのか。
気を使っているのか。
まるでわかんなかった。
でも。
「お前今日暑いのにポニーテールしてこなかったの後ろの人考えてだろ?」
あ...
その通りだった。
我慢してたの、気づいてたんだ...
「それと一緒だろ。
俺はお前のこと考えただけ。」
ドキッと言う音が胸の奥底から聞こえる。
「気にすんな」
そういうと和典は買った飲み物を一気に飲み干し、カバンにしまった。
なんで...そんなにカッコいいことさらっと言えるの...
永遠の謎を胸にしまいこむのと同時に映画館は暗闇に包まれていったのだった。
☆☆☆
「なかなか面白かったな。」
それから一時間半後。
無事映画を見終わった私たちは近くのカフェに向かってのんびり歩きながら映画の感想を語ってた。
「うん、やっぱりちょっと原作とは違ったけどそれはそれでいい味出てたよね。」
「まあ確かに。でも俺はあのシーンがなくなってたの結構やだったかもしんねー。」
「え、どこどこ?」
和典と同じ趣味を持てるって幸せ。
好きなことについてしゃべれるって、やっぱりうれしいからね。
そんなことを想いながら話していると和典がこんな質問を投げかけてきた。
「お前はどこがいいとおもった?」
んん...
悩むな。
どれにしようって考えて...
わかった。
私が和典にすきって、感謝してるって伝えられる方法を。
映画じゃないけど...
少しにこっとほほ笑んで和典の目をしっかり見るとこういう。
「そうだな...私はね。
『俺はお前のこと考えただけ』ってセリフかな。
一番ドキドキした。」
え?といい固まる和典。
そして数秒後。
「おま...っ!」
真っ赤になって私の方をつねってきた。
「人をおちょくんのはよくねーぞ!」
「いつもの仕返しだし!」
くそっと言いながらそっぽを向く和典を見てそっとほほ笑んだ。
そんなこと言いながらもまだ手を繋いでくれてるんだよね。
私はこんな和典が大好きです。
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M(プロフ) - このお話大好きです! ほんとに何回も読んでるんです🫰🏻💗 素晴らしい作品を作って頂きありがとうございます!! (2022年11月27日 1時) (レス) @page50 id: 774f7e13f3 (このIDを非表示/違反報告)
riorio21 - 奏さんの作品面白いし、感動するし、楽しみにしてます‼︎これからも頑張ってください‼︎ (2022年6月12日 12時) (レス) @page50 id: 58b56bfa9f (このIDを非表示/違反報告)
心結 - 本当に本当にとっても面白かったです‼奏さんの作品、私大好きです‼これからも頑張ってください‼ (2022年3月22日 20時) (レス) @page49 id: 8499dda6bc (このIDを非表示/違反報告)
上杉奏(プロフ) - 翠雨さん» ありがとうございます!応援取っても励みになります!他の作品も頑張りますー! (2018年8月23日 16時) (レス) id: ee0f7784b7 (このIDを非表示/違反報告)
翠雨 - とても面白かったです!これからも頑張ってください(*^^*) (2018年8月22日 18時) (レス) id: aab040c059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:上杉奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aishou_kz
作成日時:2018年4月23日 17時