☆ ページ21
「本当にありがとうね」
私は2人に微笑んだ。
2人は名残惜しそうに部屋から出て、そして私に尋ねた。
「Aちゃん…一人で本当に大丈夫かニャン？」
「うつしちゃ悪いし、ケータ君が2人のこと心配してるかもしれないし。
2人が来てくれただけで、なんだか元気が出た気がするから、大丈夫。ありがとう」
「う〜ん…心配でウィス…」
「ふふふ。けほっ、こほっ…」
と私はまたせき込んでしまう。
2人をケータ君のもとへ帰した。
私は2人が買ってきてくれた栄養ドリンクを片手に布団に座る。
「……」
ゴクッと一口それを飲んだと思ったら、再び窓を叩く音が聞こえた。
立ち上がり、振り返ると懐かしい妖怪さんが窓の外に浮いている。
「オ、オロチ？」
おそるおそる窓の方へ行き、開けた。
水色のマフラーの龍たちが私の頬にすり寄ってくる。
久々に会った彼はその金色の瞳に、他でもない私の姿をうつしていた。
「…何かあったのか」
彼はそう言って、部屋に入り、私を振り返った。
「いや、風邪ひいただけだけど…どうして？」
疑問を投げかけると、彼は窓の外を見た。
「友が、珍しく大荷物を持って慌てていたからな。どうしたのか尋ねたのだが……」
友…？もしかして、オロチはジバニャンかウィスパーさんのどちらかと友だちなのだろうか。
首をひねる私をよそに、彼は私の部屋をくるりと見渡した。
テーブルの上には2人が置いていったビニール袋。しきっぱなしの布団。そのそばにある風邪薬。
彼は私の方に寄ってきた。
「A、朝食はとったのか」
「いや…まだ…」
「まだ？」
と彼は目を見開き、私の顔色を伺う。
私はパジャマ姿のままだった。
次に彼はテーブルの上のビニール袋の中身をあさる。
「何なら、食べられるんだ？」
カサカサと袋の音をたてながら彼が私に訊ねる。
「え、『何なら』って…」
と私が鼻声で言う。
袋から出された全ての食材、そしてくるっと振り向いた彼。
「私で良ければ何か作ろう」
私が目をパチクリしていると、彼は台所へ行き手を洗い始めた。
「え、ええ!?そんな、わ、悪いよ！けほっ、こほっ…」
私は彼を止め、彼は椅子にかけてあった桜色のカーディガンを私に掛ける。
ビニール袋の中身のレトルト食品を台所に運び、彼が
「具合が悪いのだろう。私がやるからおとなしく寝ていろ」
と私を布団に寝かせた。
いつもなら全力で遠慮する私だけど、今日はそんな体力もなく、されるがままになっていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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海葉(プロフ) - 明石美音子さん» あっスミマセン、レスボタン押すの忘れてました(-.-;) (2017年12月3日 11時) (携帯から) (
レス) id: f36489ca03 (このIDを非表示/違反報告)
海葉(プロフ) - ﾊｯ!(゜ロ゜)使用済みという考え方がありましたか！そうかもしれませんねぇ(笑)大将組はもちろん、皆さん変だったので、ツッコミ役三人組に期待してしまいましたよ(笑) (2017年12月3日 11時) (携帯から) (レス) id: f36489ca03 (このIDを非表示/違反報告)
明石美音子 - 海葉さん» ありがとうございまーす！そうだったんですか!?嬉しいです！大将さんたち登場しましたね！もういろいろ面白くてずっと笑ってました(笑)オロチさんがマフラー龍の頭にまでブリーフ被せてたのが印象的でした(笑)あれは新品なのか、それとも彼の使用済みなのか…。 (2017年12月3日 0時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
海葉(プロフ) - 続編おめでとうございまーす！私はよく宗像ちゃんを思い出して頑張っている人の一人です、いつもありがとうございます…！ああ、そういえば大将組、先週出てきましたよね！どうでした？(私はオロチさんのブリーフの身につけ方が好きですね（笑）) (2017年12月2日 20時) (レス) id: c9a6b087d8 (このIDを非表示/違反報告)
明石美音子 - ユカ松♪さん» どういたしまして！ありがとうございます！お気に召されたなら良かったです！ (2017年11月22日 22時) (レス) id: e8c22bb6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明石美音子 | 作成日時：2017年10月9日 21時
