誘うモノ ページ4
……何、あれ？
欠伸をしながらのいつも通りの登校中。
校門を抜けたところで異様なそれを見つけ、私は眉を寄せた。
屋上のある一点に、黒い影が大量に集まっている。
なんで彼処に集中してるの……？
目を凝らして、屋上の影が集まる柵に注目する。
『……ッ！？』
黒い影の中にそれを見つけた私は、一目散に校内へと駆け出した。
『ダメッ！！』
？「……」
勢いよく屋上の扉を開けて、柵の外側に立つ彼の腕を掴む。
影は呆気に取られたように彼から一瞬離れるが、すぐに私ごと包み込んでくる。
『とにかくこっちに戻ってきて！早く！！』
？「……」
集まってくる影を片手で払いながら、もう片方の腕で彼の腕を引いて無理矢理柵の内側へと連れてくる。
彼の青い瞳は朦朧としていて、まだ意識がはっきりしていないようだった。
＿＿邪魔シタ。ナンデ、ナンデ
＿＿返シテヨ、返セ
＿＿デモ、コノ人間モ、美味シソウナ匂イスル
『え……わッ！？』
影に包まれ、ふわりと宙に浮く私の体。
柵よりも視線が高くなった次の瞬間、私は柵の外へと放り出された。
？「……ッ！危ないッ！！」
間一髪のところで、正気に戻ったらしい彼に腕を捕まれた。
プラプラと不安定に揺れる体。
ローファーの下には、運動部が朝練の片づけをしている校庭が見える。
？「ぐ……ッ！」
彼の額に汗が滲む。
彼一人の力で私を引き上げることは難しそう。
それどころか、このままじゃ彼まで……。
＿＿エヘ、へへヘ
＿＿オチロ、オチロ
必死に私を引き上げようとする彼は気づいていないが、再び影が彼の背後に忍び寄る。
『後ろ……ッ！』
影が彼を突き落とそうとしたその瞬間。
『……ッ！！』
物凄い速さのナニカが、彼の回りにいた影を引き裂いた。
影の醜い奇声が響き、それと同時に今まで感じたことのない、影のものではない強い妖気を感じる。
＿＿柵の隙間から、大きな黒い狼の黄緑色の瞳と目が合った。
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シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます！そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです！ここまで本当にありがとうございました！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした！とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした！！番外編も、無理しない程度にがんばってください！！これからも応援してます！ (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます！ここまで本当にありがとうございました……！！ (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……！ (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果！！((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
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