肆 ページ10
オ「闇に飲み込まれたらアカンで、Aちゃん」
『ッ！』
後ろから聞こえたオスマンの声で、我に返る。
いけない。
負の感情に飲み込まれたら、影を余計呼び寄せてしまう。
ここがもし、結界の張られていないらんらんの家じゃなかったら……。
私がゾッと青ざめていると、シャオロンはいつもより低い声で言った。
シ「俺らの姿も見えへんくせに、調子に乗んなや」
オ「シャオロン、抑えるんや。
……でもまぁ、ちょっと調子に乗りすぎたな」
オスマンは今すぐにでも襲いかかろうとするシャオロンを片手で制し、もう片方の手でパチンと指をならす。
すると次の瞬間、部屋を包む障子がガタガタと音をたてて大きく揺れ始めた。
「な、なんだ！？」
ひ「……」
ひとらんはため息をついて、オスマンを見つめる。
しばらくして障子の音が鳴り止む頃には、祖父母達はすっかり怯えきっていた。
鬱「あのー」
「な、なんだね、君は……」
鬱「今の多分、僕のせいだと思うんすよ。僕元々霊感が強いほうなんやけど、なんか今日は色んなのを引き寄せてしまうらしくて。Aちゃんに勧められて、これからひとらんさんに御祓いをしてもらうところなんです」
大先生……。
大先生は私の横へ出てきてそう言い、な？と私に向けてウインクをした。
大先生に同意するように私も小さく頷く。
「そ、そうか。なら、すぐに御祓いを受けたらいい。ひとらん、俺達はこれで失礼するよ」
今までの態度を翻し、逃げるように祖父母達は玄関へと向かった。
ひ「……オスマン」
オ「めう〜」
シ「A、大丈夫か？」
『……うん。鬱くんもありがとう』
鬱「気にせんでええよ」
シャオロンに頭を撫でられ、大先生に背中を撫でられる。
……大丈夫。
私にはシャオちゃんもらんらんもマンちゃんも、大先生もついてるんだから。
あんなこと言われたって、全然平気なんだから。
前向きに、そう自分に言い聞かせた。
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シリウス(プロフ) - フェノさん» コメントありがとうございます！そう言っていただける作品を書ききることができ、嬉しいです！ここまで本当にありがとうございました！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
フェノ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした！とても面白くて、毎回の更新が待ち遠しくなるほど大好きでした！！番外編も、無理しない程度にがんばってください！！これからも応援してます！ (2019年10月9日 22時) (レス) id: dddb82ec89 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 鈴蓮さん» コメントありがとうございます！ここまで本当にありがとうございました……！！ (2019年10月9日 16時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます……！ (2019年10月9日 7時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 千12さん» プロ結果！！((殴 すみません調子乗りました← コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年9月28日 17時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
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