瞬間、恋をした。② (ページ19)

今日:24 hit、昨日:14 hit、合計:4,957 hit

68 ページ19

.

健「…あんなぁ、俺な真白のこと好きやねん。受付ん時から好きやってん。
いつも笑顔で挨拶してくれたやろ。そんで好きんなってもうた」

『…えっと、あの。ありがとうございます』

健「急かもしれんけど、返事は今すぐやなくて。考えてほしいねん」

『…はい』

ほな、俺帰るわって笑顔で言ったあと、頭を撫でてから帰って行く。

健二郎さんの姿見えなくなってその場にしゃがむ。

『え。まって嘘でしょ』

突然すぎるし予想外で、驚きしかない。

健二郎さん優しくていい人だけど。何も知らない。知ってからじゃないと答え出すの早いよね。

それに考えといてって言われたし。

『…佐野くん』

…でも、まだ私の心の中には佐野くんがいて。
私の心を佐野くんが掴んで離してくれないんだよ。

帰り道も佐野くんと肉まん食べながら歩いたとか。
健二郎さんといたのに、頭の中は佐野くんのことばっかりで。

…片想いは辛いけど、でも他の誰かに好きと言われたら気持ちに応えることできなくて。もっと辛い。

たまらなく涙が溢れてきた。

いつかの雪のようにこの涙が溶けて消えてしまえばいいのになんて。

.