明るさの真意 ページ8
．
私は一度自分の家に帰って、次の日の早朝に
またマサキのいる病院に来た。
不幸中の幸いとでも言うのか、今日は休みだった。
「えっと...609病室は、どこだっけな。」
「それなら、そこの階段を上って、右に曲がるとスグですよ。」
「えっ？あ、ありがとうございます、えっと、八雲先生...？」
「いえいえ、では失礼します。」
スラリと背の高い先生に助けられて、
マサキの病室まで辿り着けた。
個室で、昨日は分からなかったけど
綺麗な絵が飾ってあったり、病院っぽい匂いは無かった。
「...マサキ、？」
「Aさん...？俺 、.. 」
ベッドで、寝起きのマサキがこっちを見つめる。
まだ状況を把握してない様子で、不安そうにキョロキョロ。
ベッドサイドの椅子に座ると、マサキは微笑んだ。
「久しぶりだね、Aさん。俺、何で病院に居るの？」
「マサキ...」
どうして、私を責めないの？
何でそんなに嬉しそうに笑ってくれるの？
何で、 ..
「えっ！？泣かないで、Aさんっ、ごめんね？」
「ちがっ...マサキは、悪くなっ、い .. 」
「でも、...」
オロオロしながらも、私が泣き止むまでずっと
マサキは背中を摩ってくれていた。
私は、何でこんなに優しい人を疑ったりしたんだろう。
「マサキはね、昨日ウチで倒れたの。記憶に無い？」
「昨日は、食欲が無くて、寝る前に薬飲もうとして...」
「やっぱり、その時だ。薬持ったまま倒れてた。あれ何の薬なの？」
「えと、睡眠導入剤。最近、寝付きが良く無くて！困るよねぇ？」
心配させまいと、無理に明るく振る舞ってくれる。
私に原因があるのに、決して責めたりしない。
そうされるほど、自分が惨めに思えてくる。
少しの断片を見ただけなのに、マサキを追い詰めた。
「そうだ！Aさん、韓国のお土産、何買って来てくれたの？？」
「マサキ、」
「俺、韓国のり食べたいなあっ！」
「マサキ！」
分かってるんだ、マサキは。
私が、自分で自分を責めている事に気付いてて
わざと話を逸らしてくれている。
だけど、何も無かったことには出来ない。
きちんと謝って、話し合うべき事は話さなければ。
「マサキ。私ね、怒ってないから。何も怒ってない。マサキに謝りたいんだよ。」
「A、さん...」
．
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にな - 最後の方で感動して泣けました。笑える部分もあって面白かったです。 (2018年5月5日 22時) (
レス) id: d79385b6b6 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ハハハ、まさかの展開！超面白い。ε=ε=(ノ≧∇≦）ノ (2017年8月16日 7時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ああ、ズルい奴。 (2017年8月4日 20時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
kiyomi(プロフ) - 頭殴られてどうなるかと思った(;つД｀)翔くん、身を引いちゃうのかな？ (2017年7月31日 0時) (レス) id: fa58efe3c1 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うわあ〜、うわあ〜… この錦戸さん、あたしが一番苦手な人種だ！(泣) (2017年7月7日 21時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらり | 作成日時：2017年6月3日 23時
