お酒って怖い ページ4
．
「なーに話してんの？錦戸。」
「えっとぉ...」
「亮くんが唐揚げいりますか？って。」
「へぇえ、亮 く ん がぁ？」
さっきまでの笑顔からは程遠い苦笑いを浮かべて
亮くんは逃げるように他のテーブルへ移って行った。
櫻井は何だかご立腹の様子。
「こういうこと。わかった？皆お前を狙ってんの。」
「皆って大袈裟な...」
『櫻井さぁーん！おビールどうですかっ？』
「さっきの言葉、そっくりそのままお返しするわ。」
KY女王のハナちゃんが登場し、
相変わらず、櫻井は適当にあしらうけど
今日の彼女はヤケにしつこくて
櫻井のイライラを募らせてしまった。
その結果、なぜか私は櫻井に腕を掴まれて
無理やり会場のど真ん中に２人で立たされたと思えば、
「僕たち！お付き合いをしています！橋本は、Aは俺の彼女です。」
「ちょ！何言って...っ！」
私の抗議の声は、周りの歓声や悲鳴に掻き消された。
酔っ払ったオヤジ共は囃し立て、
櫻井狙いだった女子社員たちは、明らかに不機嫌。
もぉお！ 私には私のペースがあるのに！！
「なんであんな所で言っちゃったの！」
「ごめんってば、我慢出来なくてさ。」
「いやあ、アレは感動したなあ。社長なんか泣き始めとったし。」
「櫻井信者たちが崩れてたねえ〜。」
いつもの３人に加えて、横山さん。
もう最近は、４人でいることの方が多いのかも。
祝賀会が終わり、呑み足りないと言い出したおーちゃんのために
いつもの居酒屋で呑み直し。
「でもさあ、長かったね、翔くん。」
「本当だよ。コイツは鈍感すぎる。」
「え。嘘でしょ。そんな前からなの？」
「それはそれはもう。生まれる前からやもん。」
「ヨコ酔ってるだろ(笑)」
目が虚ろな横山さんも、色気があっていいな...
じゃなくて。
３人の話し方からして、櫻井が私のことを好きだったのは
随分前からのように思える。
私ってそんなに鈍感なのか？
「もー、ほんまに！おめでと！」
「ありがとうございます...」
「なーに、マリッジブルー？」
「いやいや、結婚してないから。」
楽しい空気で、みんなに祝われる度に罪悪感が育っていく。
モクモクと増え続けて、私の中からは決して消えない。
とうとう、鳴らなくなってしまった携帯。
だけど、チラチラ見てしまう。
もう考えないって決めたのに。
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にな - 最後の方で感動して泣けました。笑える部分もあって面白かったです。 (2018年5月5日 22時) (
レス) id: d79385b6b6 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ハハハ、まさかの展開！超面白い。ε=ε=(ノ≧∇≦）ノ (2017年8月16日 7時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ああ、ズルい奴。 (2017年8月4日 20時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
kiyomi(プロフ) - 頭殴られてどうなるかと思った(;つД｀)翔くん、身を引いちゃうのかな？ (2017年7月31日 0時) (レス) id: fa58efe3c1 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うわあ〜、うわあ〜… この錦戸さん、あたしが一番苦手な人種だ！(泣) (2017年7月7日 21時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらり | 作成日時：2017年6月3日 23時
