ブラックアウト ページ27
．
うぅ... 頭痛い、ここ、病院..？
「大丈夫か？A。今先生呼ぶから。」
「櫻井...？」
「そうだよ。細かい事は後で説明する。とにかく今は安静にしてな？」
病室のカーテンは閉まっていて、時間がわからない。
でも、櫻井が居るってことは、仕事終わり？夜？
どっちでもいい。今は喋る気力も無いくらいだるい。
「橋本さん、頭部への強い打撃による出血と、打撲。それから、倒れた時の腕の打撲ですね。止血剤と腫れを抑える薬を出してます。しばらく病院で安静にしていて下さい。」
「はい...」
「先生！マサキさんの容態は？」
「ええ、順調です。発見が早かったので、大事には至りませんでした。」
良かった、と胸をなで下ろす櫻井。
私には何の話かわからない。
櫻井がマサキの心配してるなんて、変な感じ。
「マサキ、どうかしたの？」
「彼も随分暴行を受けたみたいだよ。顔には擦り傷ひとつ無かったけど、身体はボロボロだった。あの女がやったんだ。」
「あの人ひとりでやったようには思えないけど。」
「多分、暴れるマサキさんを押さえつけた誰かが居たんだろうな。今警察が捜査してくれてる。ほら、いい子だからもう寝な？」
ひとしきり話し終えると、櫻井は私を撫でた。
まるで繊細なガラス細工に触れるみたいに
優しく、優しく、微笑みながら。
良かった。もういつもの櫻井に戻ってる。
「ありがとう。...翔、好き。」
「俺も。Aは弱ってる時の方が可愛いんだな。」
「えぇ〜、いつもでしょ？」
「そうだな。ほら、本当におやすみ。俺出て行くから。」
「待って。寝るまでここに居て？」
彼の手を掴んで、少し甘えてみる。
怪我人だから、それくらい良いよね？
翔も笑って許してくれた。
「...気絶する前ってね、なんかふわふわするの。」
「寝る前みたいな？」
「んー、まあ似てる。すっごい頭痛かったけどね。それで、意識が飛んでく前に誰に会いたいって思ったと思う？」
「...誰？」
「翔。そしたら、翔が助けに来てくれた。やっぱり、私の彼氏はすごいなあって。」
「ん...」
なぜか、翔は何も言わなかった。
いつもなら嬉しそうにニヤニヤすると思ったのに。
私も話し終えると、眠気が出てきて、
力がすーっと抜けて、眠りに落ちてしまった。
．
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にな - 最後の方で感動して泣けました。笑える部分もあって面白かったです。 (2018年5月5日 22時) (
レス) id: d79385b6b6 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ハハハ、まさかの展開！超面白い。ε=ε=(ノ≧∇≦）ノ (2017年8月16日 7時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ああ、ズルい奴。 (2017年8月4日 20時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
kiyomi(プロフ) - 頭殴られてどうなるかと思った(;つД｀)翔くん、身を引いちゃうのかな？ (2017年7月31日 0時) (レス) id: fa58efe3c1 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うわあ〜、うわあ〜… この錦戸さん、あたしが一番苦手な人種だ！(泣) (2017年7月7日 21時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらり | 作成日時：2017年6月3日 23時
