葱 ページ11
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家に帰ると、あの日のまま時間が止まってるみたいで
つい、嫌なことを思い出してしまった。
「あの人はカズさんに何とかしてもらったから、大丈夫だよ。」
「カズさんって一体何者？」
「それはね、禁句なんだよ。俺も分かんない。」
バカみたいにお金持ちなのは確かだ。
何で儲けてるのかは全く不明だけれど。
あんなちんちくりん、...いや、辞めておこう、怒られそう。
「Aさん！お土産は！」
「ああ、ちょっと待ってね。はいよ。」
でっかいキャリーバッグから韓国のりと
今現地で大人気のインスタントラーメンをマサキに贈呈。
白い歯を見せて、喜びを前面に出した笑顔になる。
ありがとう！と大事そうにお土産を見つめては、
私を見て、の繰り返し。
「そのラーメンね、辛いからしばらくは食べちゃダメだよ。」
「俺が回復したら一緒に食べようね！」
「今食べたら胃が跳び上がるからね。」
胃に優しい食べ物からゆっくり食べるようにと言われたので
今日のお昼ご飯は、とりあえず温かいうどん。
キッチンに立つのも久し振りで、何か微妙に緊張。
「俺やろうか？」
「いいから、あんたはじっとしてなさい。」
「ふふふ、はーい。」
「何がおかしいの？」
「お母さんみたいだなって。あ、良い意味でだよ！？」
良い意味でお母さんってどういうことだよ。
良いお母さんってこと？ゴッドマザー？
全力でオドオドしながらソファで私の方を見るマサキを睨んで
冷凍のうどんを茹で、ダシを作って。
そこにトロトロ〜っと卵を溶いて、卵とじうどん。
「風邪の時の定番メニューだよね。」
「俺は中華粥だったなあ。」
「あんなに美味しく作れないもん。ほら、食べよ。」
テーブルに座って、２人でうどんをズルズル。
うまいうまいって何回も言うマサキが可愛い。
私だけの秘密に出来るんだろうか。
この２人の時間は、誰にも知られずに済むのかな。
...バレたら、どうなっちゃうんだろう。
「Aさん、ネギついてるよ。」
「へ、？」
「んふふ、はい。」
私の口元に手を伸ばして、ネギを取ると
それを自分の口にパクッと。
これがご飯粒ならラブストーリーみたいなのにな...
いやいや、ラブストーリーじゃなくていいんだよ！！
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にな - 最後の方で感動して泣けました。笑える部分もあって面白かったです。 (2018年5月5日 22時) (
レス) id: d79385b6b6 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ハハハ、まさかの展開！超面白い。ε=ε=(ノ≧∇≦）ノ (2017年8月16日 7時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ああ、ズルい奴。 (2017年8月4日 20時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
kiyomi(プロフ) - 頭殴られてどうなるかと思った(;つД｀)翔くん、身を引いちゃうのかな？ (2017年7月31日 0時) (レス) id: fa58efe3c1 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うわあ〜、うわあ〜… この錦戸さん、あたしが一番苦手な人種だ！(泣) (2017年7月7日 21時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらり | 作成日時：2017年6月3日 23時
