なんでも早め ページ2
．
会社に行っても、普段と何も変わらなかった。
周りにはもちろん、何も言ってないし、
そんなことしたら...女の子たち怖い...
ただ、智くんと横山さんには「おめでとう」と一言貰った。
２人とも、しきりにニヤニヤしていたけど。
『A部長っ、おはようございますぅ〜』
「ハナちゃんおはよー。今日はいつにも増してキメてるね。」
『何言ってるんですか〜？今日は部長と櫻井さんのお祝いがあるじゃないですかあ！』
「はあ！？な、な、ななんの祝いよ！？」
『へ？何って、韓国出張大成功のお祝いですよっ？』
「あっ、ああ！そうなのね！知らなかったよ！ハハハ..」
あ、焦ったァ...！
付き合ったことに対してそんな盛大に祝うわけないか。
ハナちゃん、相変わらず櫻井をロックオンしている...
残念だけど櫻井は変人だったみたいだよ、
私みたいな女が好みだって...
何だこれ、なんで私ちょっと喜んでんの。
... 恥ずかし。
「おはよう、橋本。会議行くぞ？」
「おっ、おっは！櫻井！」
「テンション高くね？」
なんでコイツはこんなに余裕綽々なの！
昨日はあんなにチェリーボーイだったのに...！
「今日、知ってた？祝賀会あるの。」
「全然知らなかった、ハナちゃん、櫻井のことめちゃくちゃ狙ってたよ。」
「それで嫉妬した？」
「は、してないし。」
「わかりやす(笑)」
２人きりのエレベーター
そんな風にからかわれて、言い返そうとすると
隣にいた櫻井は、私の目の前に立って
ふわり、そよ風でもなびいた様に、
本当に軽く、触れるだけのキスをした。
私の口を出かかっていた言葉は、すぐに呑み込まれて
顔の血流だけが活発になって、熱い。
「俺は、お前のもんだよ。」
「...ずるい。」
「お前だってな、他の男子社員から人気なんだぞ？俺がどれだけ焦っ...」
「ちょっとその話くわしく！！！」
「お前なあ！」
甘い空気から一転、いつもの２人に戻る。
お互い、照れ隠しなのは見え見えだけど、
まだ始まったばっかりだから、
ゆっくり、ゆっくりでいいんだと思う。
ポケットで、静かに震える携帯は無視して。
向き合わなきゃいけない現実を避けて。
出来てしまったシコリを放置すれば、
どんどん巨大化して、もう、どうにも出来なくなる。
昔読んだ本に、そんな事が書いてあった。
だからなんだ。... 私には関係ないこと。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 625人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にな - 最後の方で感動して泣けました。笑える部分もあって面白かったです。 (2018年5月5日 22時) (
レス) id: d79385b6b6 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ハハハ、まさかの展開！超面白い。ε=ε=(ノ≧∇≦）ノ (2017年8月16日 7時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ああ、ズルい奴。 (2017年8月4日 20時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
kiyomi(プロフ) - 頭殴られてどうなるかと思った(;つД｀)翔くん、身を引いちゃうのかな？ (2017年7月31日 0時) (レス) id: fa58efe3c1 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うわあ〜、うわあ〜… この錦戸さん、あたしが一番苦手な人種だ！(泣) (2017年7月7日 21時) (レス) id: 5ae3e13203 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くらり | 作成日時：2017年6月3日 23時
