私と君の奇跡の１年間【名前変換オリジナル】

１０話：海 ページ11

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『...で、どうやって抜け出すか、

考えとかあるの？』

「ない！！」





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神谷くんははっきりとそう言う。

なんの考えも無しで脱走するのはあまりに無謀な気がする。


ここにはたくさんの看護士さん、医者がいる。
誰にも見つからずに外に出る事なんて出来るのだろうか。






「まぁ、なんとかなるって！

さ、行こうぜ！」


『えぇ！

せめて、服着替えなよ！』






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今の神谷くんの格好はパジャマのようなものだ。

さすがに、これでは怪しまれる。



せめて、普通の服に着替えなくては。







「あ、ほんとだ。

よし、着替えるから外で待っててくれ！」

『う、うん...』






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とりあえず、病室の外へと出る。


待っている間、これからについて考えよう。
病院を出ると行ってもあまり遠くまでは行けない。


この辺りでどこか行くところなんてあるだろうか。

...その前に無事に外に出れるかが心配だが。







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「A、着替え終わったぞ！」

『じゃあ、行こっ...か...！！』



「ん？

どうしたんだよ」

『あ、ううん、何でもない！！

い、行こっ！！』





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...いつもと全然違う服装にドキッとしてしまった。

今でも心臓ドキドキいってる。



...気にしないで、おこう。






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『と、とりあえず、顔見られないようにフード被って、

出来るだけ下向いて歩いて』

「おぉ、わかった」






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早く外に出るために、さっさと歩き出す。

途中、何度か看護士さんとすれ違ったが私が神谷くんを隠せるように、歩いたためなんとか見つからずに済んだ。




そして、やっと外に出ることに成功した。








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『で、出れた...


あ、神谷くんフードもう被らなくてもいいよ』


「よっしゃー、脱走成功！！

で、どこ行く！？」

『あんまり遠くには行けないよ？

すぐに帰って来なきゃ』




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とは言っても、ほんとどこに行こうか。


近くにあってすぐ帰ってこれるとこ。



なにかあったか考える。
...そうだ、海ならある。

でも、海に行ったところで楽しめるだろうか。


とりあえず、聞いてみよう。







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『海なら近くにあるけど、行く？』


「海？

...行く、行く！！」

『まだちょっと、寒いかもしれないけど、大丈夫？』




「おぉ！」







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よし、じゃあ海に行こう。

なんだか私まですっごくワクワクしてきた。



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１１話：惹かれる→←９話：脱走

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