図書室:中島敦 ページ9
僕、中島敦には、好きな人が居る。それは……
ナオミ「A、この前貸してくださった本、とても面白かったですわ♪」
A「本当?良かった」
同じクラスの秋月さん。取り分け目立っているわけではなく、休み時間には何時も本を読んでいて、放課後は図書室に居ることが多い。そんな秋月さんに惹かれたのは、つい最近の事。
その日、僕は日直の仕事があり、帰る頃には外は暗くなっていた。家に帰ってやりたいこともあったので下駄箱まで急いでいると……
A『 キャッ!』敦『 うわっ』
廊下を曲がる際、ぶつかってしまったのが秋月さんだった。
ぶつかった拍子に散乱してしまったお互いの荷物を拾って手渡し、僕はそのまま帰宅したンだけど……
どうやら、荷物を拾い違えたらしく、僕のバックには見覚えのない栞が入っていた。翌日、それを秋月さんに渡すと……
A『 有難う。大切な物だから、見つかって良かった(ニコッ』
その時の彼女の笑顔が印象的で、それ以来、僕は秋月さんの事を意識するようになった。
ある日、一緒に帰る約束をしてた賢治君が先生に呼ばれたので、本でも読んで待っていようと思い、図書室に行くと
敦「あっ」
本棚の前に立って本を読んでいる秋月さんの姿があった。すると、僕の虎眼が秋月さんの前の本棚の最上段を捉えた。その段には、高さがあるせいか、奥まででなく浅く入れられている本が多くある。そして、その内の1冊が本棚から落ちた。それに続いて、近くにあった本も立て続けに落ちていく。
敦「危ない!」
僕は虎の俊足でAさんの元へ駆込み、本棚を背にして彼女を押し倒した。
A「え?」
バサバサッと音を立て、本が床に落ちる。当然、僕にも何冊か当たった。
敦「秋月さん、大丈夫?」
A「わ、私より中島君が……」
敦「僕は大丈夫。頑丈だから」
彼女に怪我が無いのを確認して、手を貸し立ち上がらせる。
A「有難う。あ、本戻さないと」
敦「ああ、そうだね」
落ちた本を拾い集め、拾った本を秋月さんが持ち、僕が本棚に戻していく。時々、秋月さんと手が触れ合い、その度に指先に甘い熱が帯びる。
敦「よし、これで全部だね」
A「うん。あ、中島君コレ」
敦「…絆創膏?」
A「その、落ちた本で頬怪我したみたいだから。良かったら使って。じ、じゃあ!」
秋月さんは走って図書室を出てしまった。そんな彼女の行動が可愛くて、僕はまた彼女に惹かれたのであった。
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ハイド - こういう学校行きたい。 (2019年3月17日 11時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
サヨ - ありがとうございました。満足しましたよ。 (2017年1月9日 16時) (レス) id: f90adf2d5a (このIDを非表示/違反報告)
歩(プロフ) - 初めまして文化祭で執事喫茶を開いたようです:マフィアのAって誰ですか (2017年1月9日 14時) (レス) id: 40469d2706 (このIDを非表示/違反報告)
サヨ - リクエストしていいですか? ドストエフスキーさんで 図書室っていうのはどうですか? 更新待ってます。 (2016年12月27日 16時) (レス) id: e8aa5139ae (このIDを非表示/違反報告)
澪奈(プロフ) - 華吹紫亜さん» 態々すみません!!あ、後、この小説、面白くて好きです!応援してます^ ^ (2016年11月30日 23時) (レス) id: cfb93e9ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華吹紫亜 | 作成日時:2016年10月9日 21時