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「……ろ…きろ……起きろ」
『ん……』
寝ぼけ眼を擦りながら、ガバッと上半身を起こす。
『っあ!?』
「目覚まし時計の方がまだ仕事をするが」
『す、すいません……ってうわあああああああ!!!!』
「ッ!?」
『せんせええ!!せんせえええ!!!』
涙が溢れて止まらない。
頬を拭うことも忘れて、一心に先生の名前を呼び続けた。
『よがっだでず…!!!う”っ、せんせい、あやつじせんせいっ!!』
「判ったから泣き止め、馬鹿。仮にも怪我人だぞ。怪我人に抱き付く馬鹿が何処に居る」
『え…あっいあああすみません!!』
わ、私抱きついてたのか。我ながら吃驚。
『生きてたんですね!!良かったあ…』
「別にタヒんでも良かったのではないか?」
『やですよ。私の仕事無くなるじゃないですか』
「どうせそれだけだろう」
『でも、それだけじゃないですよ』
「?何だ」
『先生居なくなっちゃったら、寂しいです『
「…ふん」
『あ、先生照れてますね?もう、素直じゃないですね!』
「煩い」
『まったまたあ〜』
「……」
その瞬間、
.
.
『…へ??』
綾辻先生の寝ているベッドに、引きずり込まれたのである。
「……一流エージェント?まだまただな」
にやりと笑う。
ベッドの中が温かくて、それがまた心臓を爆発させる。
『わ、私スーツ…』
「スーツじゃなければ問題無いのか?」
『うえ!?それどういう…!?』
「冗談だ。俺にそんな趣味は無い」
遮光眼鏡をしていない先生の瞳は、冷酷さを宿しながらも、何処か妖艶で。
ぞくりと背筋が震える。
『わ、私もう出ま…』
ぱしっ、と手首を掴まれる。
スッ、と先生の顔が近付いてくる。白くて綺麗な肌が私の視界に入る。
「…逃げられないぞ?」
どくん、と心臓が跳ねる。顔に熱が集まる。
後頭部に手を回される。これ、動いたら触れちゃうって……
「……なんだ、拒否しないのか?」
『っえ…だって……』
「して欲しいのか?」
綾辻先生の吐息が耳にかかってくすぐったい。熱い。
『別にっ…』
「…ふん。そうか。ならば仕方ないな」
『え』
「何だ?嫌なんじゃないのか?」
『嫌じゃっ…』
「じゃ?」
『嫌じゃ…ない…です……』
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沙月(プロフ) - 佐伯先輩がいたら腐女子で会話したい((なんか、辻村さんおっとりしてない?綾辻先生かっこよすぎん?もう、好きです。 (2019年7月21日 0時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
ふうゆず - とっても面白かったです!はぁ…僕も小説欲しいな…うううううううう (2019年5月3日 16時) (レス) id: 77992ccb5c (このIDを非表示/違反報告)
さそりんご - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» ありがとうございまあああああす!!完結しちゃいましたけど、また文スト書いたら読んでくれると嬉しいですo(*⌒―⌒*)o (2018年8月29日 0時) (レス) id: 99a0ba4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - 面白かったでえええええす!!!!!! (2018年3月28日 21時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
さそりんご@さきいか - 謎さんさん» どぅおわあああ!!!ありがとうございます!!ハッピーエンドです笑 バッドエンドでもよかったんですが、やっぱり幸せになってほしいんでww はい!また作るつもりですので、その時は是非。。。´_ゝ` (2018年3月23日 15時) (レス) id: 62ceed44b7 (このIDを非表示/違反報告)
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