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「Aちゃーーーーん」

「はいっ!!!」






このグループのマネージャーに(何故か)なって2ヵ月が経ちました。

すごーくいい人たちばかりで、毎日楽しいです。





「Aちゃん、あのねっ」

「はい!」

「もうすぐあいつ来るからさぁ、

最近仕事疲れ溜まってるみたいだし、すぐ寝ると思うんだ。

だからブランケット持ってきてほしいんだけど……」

「あっ、はい。」





……でも、ちょっと驚いたことがありました。
それは────





「んもうね、寝顔可愛すぎてさ。」

「は、はぁ……」

「天使すぎてさっ!」

「……はい」

「誰にも寝顔見せたくないんだけどね!?」

「…………」

「でも疲れてる時はちゃんと休んでほしいからさ……」

「……………………」

「はぁ……もう、ほんと北山可愛い。ため息ついちゃうぐらい可愛い。」

「……すみません、ブランケット取ってきますね?」





ため息つきたいのはこっちじゃあ!!!




コホンッ。ダメダメ。ここは楽屋なのに思わず叫びそうになりました。




もう何回聞いたことでしょう。

「キング」の威厳はどこいったのか

私に対して同じグループのメンバーの北山さんの可愛さを力説されていました。





「Aちゃん、ごめんね?」

「……いえいえ。横尾さんも大変ですね。」

「ほんとにね……」





藤ヶ谷さんは、横尾さん以外の他のメンバーの皆さんには「北山好き好き大好きっ!」な一面は見せません。




でもマネージャーになった翌日、
たまたま覗いた楽屋で、





「わたぁぁぁぁぁ!今日の北山可愛すぎたよねっ!ねっ!?」

「はいはい。可愛かったねー(棒読み)」





という会話を聞いてしまい……





「絶対秘密だからね!!他言無用だから!!!

あっ、どうせなら、Aちゃんにも聞いてもらおっかなぁ。」




という、ものすんごい軽いノリにのせられ、

今に至るのです。








「はぁ……。」







ブランケットを手に取り、思わずため息をついてしまいました。






溺愛しすぎなんですよねぇ、藤ヶ谷さんは。






北山さんは、藤ヶ谷さんのことをメンバーの中でも特別な存在として見ているようですけど、





他のメンバーや他のグループの人たちにも、そして私にもニコニコして、誰にでも愛想がいい感じ。





…そうやってニコニコしてる時の藤ヶ谷さんの顔といったら、もう……






思い出しただけで背筋がぞくっとする。







……楽屋に戻ろう。

2→



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作者名:ちぇりリン | 作成日時:2017年10月20日 3時

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