・・・・ ページ42
『何してるんですかイケメンなお兄さん!』
「Aじゃん!バイトってここだったんだ〜」
『そうですよ、テンさん海嫌いそうだったんでびっくりしました』
「そんなことないよ」
周りにいた女豹のような女の人たちに申し訳ないけど、たぶんテンさんはギャルより綺麗でかっこいい系のお姉さんが好きだと思う。働きっぱなしだったし、勝手にだけどちょっと休憩しようとそのままお話をしていたらドヨンさんと初めましてのクンさんがやってきた。噂には聞いていた料理上手で世話焼きのクンさんもとびきり顔がいい。
「忙しいの?」
『うちのスタッフみんな顔がいいんでめちゃくちゃ繁盛してます!テンさんとクンさんも働けると思いますよ?あっ、ドヨンさんはちょっと…無理かもしれないですけど…』
「それならドヨンは無理だね」
「Aちゃんって話に聞いてたよりもアレなんだね」
「お前ら次のバイトで覚えてろよ」
どういうことかは怖いから聞かないでおくことにして、わたしを後ろから包み込むようにしたテンさんは、そのまま腰を下ろしわたしを太ももに座らせた。多分この人はわたしのことをペットかなんかだって思っているような気がする。実際、ルイに似てる〜と飼っている猫の写真を見せてきたし、可愛いと自慢してきたから褒められてるってことでいいんだろうけどわたしはあそこまで太ってはいないはずだ。
『戻んなきゃ…ドヨンさんみたいなやつに怒られる…』
「ドヨンみたいなのいるの?」
『いるんですよ〜…あ、あれです。こっち来てる?てか何してんだろ、店内担当なのに』
イマークは焦ったように駆け寄ってくるとわたしの腕をぐっと引っ張り、ごめんなさいこいつ呼ばれてるので連れて行きます!と行儀よく一礼をして早足で海の家の方に向かった。掴まれているところが熱いのは天気のせいでも気温のせいでもないだろう。
「…何かあったら電話しろってジェノが言ってただろ」
『言われましたけど』
「それが無理なら適当になんか言ってその場を離れるとかお前ならできるはずなのにどうしてそうしなかったんだよ」
『何言ってるんですか?お店は?』
「さっきの3人組!お前相手がカッコイイからって誰にでもああいうことするな!買い出しの帰りで見つけられたからよかったけど…」
ああ、なるほどそういうことか。イマークはわたしがテンさんたちに絡まれていると思ったんだ。初日の腹いせに仕返しでもしてやろう。
1309人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rri(プロフ) - すっごくどタイプすぎるお話です…!最高すぎます!!!これからも楽しみにしています!!! (2021年2月24日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
+(プロフ) - いつも楽しませていただいてます。姉を想う主人公ちゃんが健気で、なんでこんなに良い子なのに気づかないんだ…!と毎回もどかしい感情を抱いてしまいます笑 主人公ちゃんもみんなも幸せになって欲しい泣 応援してます! (2021年2月23日 23時) (レス) id: a20d1c0829 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - 文章、展開、設定、みんな好きで何度も読み返してます…これからも楽しみに読ませていただきます!! (2021年2月12日 9時) (レス) id: 597d1257a6 (このIDを非表示/違反報告)
侑那(プロフ) - わかりそうでわからないマクとジェノの感じが読んでてワクワクします!ナナやエクソ先生たちとの関係も最高です(*´˘`*) (2021年2月8日 15時) (レス) id: 5bbaa8a42e (このIDを非表示/違反報告)
xuu(プロフ) - 語彙力ないので伝わらないかもしれませんが、もうなんというかお話の雰囲気がほんとにどタイプ過ぎます泣応援してます!更新頑張ってください!! (2021年1月17日 19時) (レス) id: c7b9fc6037 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kiki | 作成日時:2021年1月14日 14時