・ ページ2
『うわイマーク…ちょっとジェノ気逸らしてきてよ』
「嫌だよ僕が捕まっちゃうじゃん」
『捕まってるところ見たことないんですけど?弱みでも握ってんの?』
嫌な予感ほど当たるらしい。ネクタイをピッチリ首まであげて、ボタンも上まで全部閉じているイマークが赤印名簿を持って生活指導の先生と校門に立っていた。こそこそしていると向こう側から残りの問題児のロンジュンそしてドンヒョクがやって来て、マークだ、と同じように話しているのが見えた。
『待って、お姉ちゃん!お願いがあるんだけど』
私たちを見ながらクスクス笑っていたお姉ちゃんは突然名前を呼ばれて驚いたのか、ものすごくきょとんとした顔をしている。やばい超かわいい〜〜…じゃなくて、
『お姉ちゃんイマークに話しかけてきてよ。来る途中に具合悪そうな子がいたんですけどって』
「え…いや駄目でしょ」
『う〜んじゃあ、おはようございますって言って、妹が家出る時いなかったんですけど見ましたか?って私たちその間に門通るから。いくよジェノ』
「僕そんな事しなくても奥の手あるからいいんだけど」
『私がよくないんだってば』
ぎゃいぎゃいしていたら、後ろからもう1つ声が増えた。学年1のモテ男ことナジェミン。面白そうだから俺も参加すると珍しく乗り気である。
意を決したようにお姉ちゃんがマークに話しかけに行った瞬間、ジェノは私の手を引いて生徒の波に紛れた。上手くいった!明日からはこの方法を使えばいいんじゃないか…お姉ちゃんはうまく切り上げられただろうか、そう思って振り向くと、楽しそうに会話をしているイマークが目に入った。
『イマークって笑うの?怒ったところしか見たことないんですけど』
「お前マクヒョンのことなんだと思ってんの?」
なんていうか、あれは、私の見間違いでなければイマークはお姉ちゃんのことが好きなんじゃないだろうか。
『え〜……』
だってあんなに分かるくらいほっぺを赤くして話すことなんてある?私と未だに手を繋いでいるジェノだっていつも通りだし、ジェミンなんて私の肩に額をつけて眠り始めた。お姉ちゃんが会話を切り上げた頃、向こうにいた2人がやってきてイマークに捕まっていた。もしかして、ジェノが握っている秘密って…
『イマークってさあ………』
「なんか言った?」
『ううん』
成功したね〜と笑うお姉ちゃんはいつも通り可愛いし、大好きなんだけど…なんだか複雑だな。
1294人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rri(プロフ) - すっごくどタイプすぎるお話です…!最高すぎます!!!これからも楽しみにしています!!! (2021年2月24日 18時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
+(プロフ) - いつも楽しませていただいてます。姉を想う主人公ちゃんが健気で、なんでこんなに良い子なのに気づかないんだ…!と毎回もどかしい感情を抱いてしまいます笑 主人公ちゃんもみんなも幸せになって欲しい泣 応援してます! (2021年2月23日 23時) (レス) id: a20d1c0829 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - 文章、展開、設定、みんな好きで何度も読み返してます…これからも楽しみに読ませていただきます!! (2021年2月12日 9時) (レス) id: 597d1257a6 (このIDを非表示/違反報告)
侑那(プロフ) - わかりそうでわからないマクとジェノの感じが読んでてワクワクします!ナナやエクソ先生たちとの関係も最高です(*´˘`*) (2021年2月8日 15時) (レス) id: 5bbaa8a42e (このIDを非表示/違反報告)
xuu(プロフ) - 語彙力ないので伝わらないかもしれませんが、もうなんというかお話の雰囲気がほんとにどタイプ過ぎます泣応援してます!更新頑張ってください!! (2021年1月17日 19時) (レス) id: c7b9fc6037 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kiki | 作成日時:2021年1月14日 14時