なんだかんだ、君だけ《３》

１１３. ページ13

.





.





宏「ほい。 メリクリ」





.




料理を食べ終わって


いきなり渡された薄い紙





.





「えっ！ これ……温泉の優待券？」




.





紙には温泉の名前と"優待券"の文字


私の反応を見て、もう１枚同じのが宏光のポケットから出てきた




.




宏「そう。 今冬休みだからちょうど良いかなって。 １泊２日なんだけどいかが？」




「行く！」




宏「よし。 後で日にち決めて行こうぜ」




「やったぁ！ ありがとう！」



.




宏光と１泊２日なんて嬉しいな


温泉もすごく楽しみ！




.




.




「私もプレゼントあげる！」




宏「え！？ 用意してくれてたんだ？」




「うん。 宏光が喜びそうなもの選んだよ」




宏「マジ？ ありがとう。 開けて良い？」




「うん！」



.




私がプレゼントをあげるとはこれっぽっちも思っていなかったみたいで

目をパチパチさせていた宏光




そんなリボン付きのプレゼントの中には


バイト代で買ったピアスが入っている




.




.




宏「……すげえ！ めっちゃオシャレなの入ってる！」




「ふふっ、今付けてもいいよ」




宏「じゃあそうするわ。 Aに付けて貰っちゃおうかな〜」




.





ん、と言って何の躊躇いもなく耳をかける宏光




え？！本当に私が付けるの？！


やった事ないんだけど



.




……あ！

宏光の耳の中ってよく見るとハート型だ！




可愛いなぁと思いながらピアスを手に取って近付いたは良いけど……





.




「……ねぇ、怖くてできない」




宏「大丈夫だから。 多分」




「多分って！ もし痛いってなっても責任取れないよ？！？ 血出たらどうする？！」




宏「ビビりすぎだろ〜(笑) 言っとくけどAが俺にこのピアス付けてくれるまでクリスマスは終わらないからな？」





「……え、本気？」





宏「本気。 テーマは"永遠に終わらないクリスマス"ってどう？ ふふふ」




「テーマ怖すぎでしょ〜！」




.




なんてこった！

宏光って鬼なんじゃない？！




.

１１４.→←１１２.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す