なんだかんだ、君だけ《３》

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サンタさんの格好をして宏光をビックリさせる作戦は

私の方が恥ずかしくなっちゃったけど



目クリクリ丸めてる宏光を見れたから成功？




……問題はその後だ




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じーーっと視線を感じて

「あんまり見ないで」って言ったら




「無理」って言われて




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恥ずかしいから

「着替えてくる」って言ったら




「ダメ」ってだけ言われた





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えっと……？


どういう意味で言ってるのかな？と思っていると

「……あのさぁ」と重い口を開く宏光





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宏「さっきの２人……会ったの？ その格好で」




「うーん、ちょっとだけね」




宏「……」




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着替えたらすぐ宏光が来たし、と付け加えたら

ふーん……と生返事




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宏「……」




「……」




宏「……A」




「んん？」




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気まずい沈黙の中、サンタコスのままで


作った料理をテーブルに運んでいると

不意に名前を呼ばれた



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ゆっくりと宏光の方を向くと

すぐ隣だから至近距離で目が合った




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宏「見られたくなったんだけど」




「へ？」




宏「……んな格好すんな、アホ」




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不機嫌そうにボソッと呟いた宏光

ただのサンタさんじゃん、って思ったけどどうやらこれが気に入らないご様子



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「そんなに変だった？」




宏「いや、変とかじゃなくて。 ……その逆だから言ってんだけど」




「えっ？」




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宏「マジでさ……可愛いすぎだから」




「可愛すぎ？ この服のこと？」




宏「Aがだよ」





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私の問いかけに被せるように


照れてるような甘い掠れ声が重なった




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