美容師の太ちゃん☆ 【２】 (ページ28)

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～Yuta Side～

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玉「今日はどんな感じにする？ Aちゃん」

A「えっと……ヘアカタログからなんですけど……」

玉「ん？見せてみ？」

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今日は

待ちに待ったAちゃんが来てくれてる日

……もちろん俺指名でね

切ない事に"今回だけ"っていう約束だけど

それもそれで儚くてなんか良いよね

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……それに毎回って事になるとさー、

"あの人"が黙ってないって分かるもん

こう見えて俺の勘は鋭いからね、ふふ

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今だって隣のセット面でお客さんと楽しそうに会話しながら

チラッとこっち見てるの知ってるし

もう何回目？

絶対気になってるよね？"あの人"

でもね厄介な事にさ、"あの人"って

仕事中とか鋭い癖にこういうのちょっと鈍い所あるから無自覚なんだよ？

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え？

"あの人"が誰かって？

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太「あはは(笑) じゃあ、ピーチちゃんで良いんじゃない？俺もそう呼ぶよ」

客「えっ、呼んでくれるんですかぁ？」

太「うん、その方が覚えやすいし(笑)」

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……はい、察して下さい

俺の口からは言えません(笑)

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A「こんな感じが良いんですけど……」

Aちゃんが雑誌をペラペラと捲って俺に見せてくれたのは

夏らしく軽めのボブヘアー

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A「似合いますかね……？美容師さんのアドバイスも聞いておきたいです」

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髪を触りながら

恥ずかしそうに、はにかむAちゃん

何、この子……可愛すぎ

どこまでピュアっ子さんなの？

今日の襟付きワンピースも清楚で可愛いし……

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玉「似合うようにするのが美容師の仕事。まぁー、俺に任せなさい」

A「プロの美容師さんってやっぱりすごいですね……！楽しみです」

玉「ん、楽しみにしてて。んふふふ」

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プロの！美容師さん……！

めっちゃカッコよくない？俺

それに、俺を見つめるAちゃんの目はいつも以上にキラキラしてて

まるで尊敬の眼差しだし……

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Aちゃんが指名してくれて

こうして今カットしてるって……なんかすげえ贅沢じゃん

だってほら、油断してると

一瞬視界に入った鏡越しの俺の顔

めっちゃニヤケてる

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