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車に乗ると夏の夜の生ぬるい温度と
嗅いだことのある香水の良い香りがして
目線を前に戻すと窓から見える景色は真っ暗で
街頭だけが遠くに控えめに光っていた
すぐにエンジン音がかかり、車に流れる洋楽のアップテンポなメロディー
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A「……ん?」
シートベルトをカチッとはめる部分を手探りでいるのだけど、なかなか見つけられなくて
それがバレたのか車の中のライトを付けてくれたのは……
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玉「まずシートベルトさん締めよっか(笑)」
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『ほら、ここだよー』と私の手を引いて教えてくれて
やっとカチッとハマった音がすると
『こういうの手こずる子いるよね〜ふふふ』っと柔らかく笑っていた
一瞬だけ触れられた手がジンジンと温かみを増していく
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玉「Aちゃんさー、あの状況で俺かガヤか選ぶの究極の選択だったしょ?」
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広い道路だけど、この時間はあまり車が通っていなくて
ポツポツと何台かの車とすれ違っている頃
ハンドルを握りながら、ゆっくりと穏やかな声でそう訊ねる玉森さん
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やっぱりバレてたんだ……ってそれも当たり前か
恋愛によくある、本当にしたい事と逆の選択をする事
好きだけど、意地悪しちゃうこと
好きじゃないフリするとか
見ていたんだけど、目が合うと咄嗟に逸らしちゃうとか……そういう感じ
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太ちゃんの方に乗りたいって本当は思ったけど
振られてる訳だし、ちょっとでも嫌がられる素振りをされたら……って思うと
私は……傷付くのが怖かったんだ
だから玉森さんの方に逃げてしまった
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玉「んでも多分、俺を選ぶんじゃねえかなって思ってた」
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自信ありげな玉森さんの予想が今の状況そのものだったから
当たってる事にちょっと驚いて視線を移すと
『ふふ、見事にビンゴだったけど』と口角を上げる玉森さんは何だかとっても楽しそう
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玉「俺を選んでくれた事だしどーせならちょっと寄り道してかない? ドライブがてら」
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作者名:しょーみつしょ。 | 作成日時:2018年10月12日 12時