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068☆ ページ18

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車に乗ると夏の夜の生ぬるい温度と

嗅いだことのある香水の良い香りがして




目線を前に戻すと窓から見える景色は真っ暗で

街頭だけが遠くに控えめに光っていた



すぐにエンジン音がかかり、車に流れる洋楽のアップテンポなメロディー



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A「……ん?」



シートベルトをカチッとはめる部分を手探りでいるのだけど、なかなか見つけられなくて

それがバレたのか車の中のライトを付けてくれたのは……




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玉「まずシートベルトさん締めよっか(笑)」



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『ほら、ここだよー』と私の手を引いて教えてくれて

やっとカチッとハマった音がすると

『こういうの手こずる子いるよね〜ふふふ』っと柔らかく笑っていた


一瞬だけ触れられた手がジンジンと温かみを増していく



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玉「Aちゃんさー、あの状況で俺かガヤか選ぶの究極の選択だったしょ?」




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広い道路だけど、この時間はあまり車が通っていなくて

ポツポツと何台かの車とすれ違っている頃



ハンドルを握りながら、ゆっくりと穏やかな声でそう訊ねる玉森さん



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やっぱりバレてたんだ……ってそれも当たり前か



恋愛によくある、本当にしたい事と逆の選択をする事



好きだけど、意地悪しちゃうこと

好きじゃないフリするとか


見ていたんだけど、目が合うと咄嗟に逸らしちゃうとか……そういう感じ



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太ちゃんの方に乗りたいって本当は思ったけど

振られてる訳だし、ちょっとでも嫌がられる素振りをされたら……って思うと



私は……傷付くのが怖かったんだ

だから玉森さんの方に逃げてしまった


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玉「んでも多分、俺を選ぶんじゃねえかなって思ってた」




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自信ありげな玉森さんの予想が今の状況そのものだったから

当たってる事にちょっと驚いて視線を移すと

『ふふ、見事にビンゴだったけど』と口角を上げる玉森さんは何だかとっても楽しそう




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玉「俺を選んでくれた事だしどーせならちょっと寄り道してかない? ドライブがてら」




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作者名:しょーみつしょ。 | 作成日時:2018年10月12日 12時

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