052*° ページ12
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結局、クリームソーダは宮田くんに渡す事にして
すぐ近くにかき氷屋さんがあるから私と裕太はそっちを買いに行くことにした
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宮「タマ付いてるから大丈夫だと思うけどAちゃんのこと頼んだ! 俺はここで待機してるわ。 行ってら〜」
裕「……んー」
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かき氷屋さんに向かって裕太と歩き出すけど
微妙に空いた距離を埋めるかのように何度も風が通り過ぎていく
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A「……」
裕太「……」
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さっき、北山先輩は自分だって気にしてたけど
不機嫌の原因は私かも
二人っきりになった途端会話なんかなくて
裕太とこんなに気まづいの初めてだった
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"まぁ、もしなんかあってもその時は誰かしら助けるっしょ"
無言の中、私の頭の中にはさっきの裕太の言葉がよぎっては
胸の中でゴツゴツした石が転がっているかのようにズキっと痛んだ
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なんでかな、それを言う時もさっきから1度も目を合わせてくれなかった
きっと呆れて言い放ったであろう言い方とその言葉に傷付いてしまった自分がいるのは確か
ううん……違う
"この言葉"に胸が痛むんじゃなくて"この言葉"の後に
"俺じゃない誰かが"って見えない言葉が付け足されている気がしたんだ
……私は一体何を期待していたのだろう
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裕「……何味にする?」
A「えっ、あっ……考えてなかった。 何にしよ……」
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行列に並んでたはずがいつの間にか注文を言う番になってて
私の言葉をかき氷屋のおじさんがニコッとした微笑みで待っていた
……どーしよ、早く決めなきゃ
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A「……れ、レモン味で」
「はいよっ。 毎度あり〜」
A「ありがとうございます」
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A「……ごめんね」
裕「も〜。 ボーッとしても良いけど味決めてからボーッとしてくれ(笑)」
そうだよね、って笑いながら見上げると
パチッと合った目がふふふって笑ってて
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A「……_____!」
いつもの裕太に戻っていたこと、
やっと目を合わせてくれた喜び
何度も見てきたはずの優しい笑顔に
見とれてしまう自分がいた
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作者名:しょーみつしょ。 | 作成日時:2018年8月12日 18時