水と油な二人 ページ3
『……何っなのアイツ!意味分からないんですけど!?』
「俺にはお前が意味分からない。いきなり喧嘩吹っ掛けるんじゃないよ」
『は?吹っ掛けてないんですけど』
鏡の間を半壊にさせた数十分後。俺はフレアと並んで椅子に座っていた。
もうとっくに自身の寮分けは終わっていて、後は他の奴らのを眺めるだけ。俺はポムフィオーレで、フレアはサバナクロー。ま、当然っちゃ当然だけど。
え、あぁ。鏡の間を半壊にさせて、お咎めは無しだったのかって?あのいけ好かない奴が全部元通りにしてくれたんでね。先生に怒られるのは嫌ってか。
「それにしても、あんな壊れてた部屋を一瞬で直すなんて」
『はん、それが何さ。俺だってあれくらい』
「出来ないでしょーが。このノーコン野郎」
こつん、と頭を軽く叩かれる。反論したかったけど、実際その通りなのでやめた。
というか、寮分けを見てるだけっていうのも退屈だな。そう、ちらと前を向けば。アイツが闇の鏡の前に立つのが見えた。
どこの寮だろう。顔面的にはポムフィオーレ……いや一緒は嫌だな。魔力的にはディアソムニアか?そんな俺の予想は外れ、闇の鏡は厳かに告げた。
【汝の魂の形はーーーハーツラビュル】
ハーツラビュルか、なるほど。確かに厳格って雰囲気だもんね。ぴったりじゃん。
思わずくすりと笑いを溢すと、踵を返してこちらに向かってきていたソイツと目があった。なんとなく逸らしたら負けな気がして、じっと見つめていたけど。何ともないような雰囲気で、向こうが先に逸らした。よっし、俺の勝ち。
さて、それから十数分で寮分けは終わり。俺たちは別々の寮長に連れられて寮へ行くこととなった。
フレアに別れを告げ、さらりと髪を靡かせる寮長の後に続く。こつこつと鳴り響くヒールの音についていけば直ぐに寮へたどり着いた。
部屋は四人部屋。俺以外にも三人のポムフィオーレ生がいる。……ま、この寮に選ばれただけあって身嗜みはいい感じ。
『ねぇ、自己紹介しない?』
ベッドに荷物を置いて、部屋を見渡す。三人の顔が一斉にこちらを向いた。
誰が、なんて目をする三人に向かって俺は話し出す。昔から、コミュニケーション能力だけは異様に高かったし、今でも高いと自負している。
話し始めて数分後には、三人の顔に笑顔が浮かんでいた。ん、出だしは順調かも。
『……てわけで、今日からよろしくね』
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あいらいん - 学生のクルーウェル先生に「ばーか」って言われたい (2023年4月4日 10時) (レス) @page14 id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - すごく面白いです!クルーウェル先生と夢主が仲良くなったのは、一緒にめっちゃ強い魔物を倒したから…って、1の方のラジオで見たから、それめっちゃ楽しみです!更新待ってます!頑張ってください! (2022年2月15日 13時) (レス) @page14 id: 568bb71bb9 (このIDを非表示/違反報告)
HUMIZUKI・文月(プロフ) - すごく面白かったです!リクエストですが、生徒が授業中ふざけて危険な魔法薬をこぼしてしまい夢主がすごく怒る話をお願いします。 (2021年12月27日 8時) (レス) id: 4b3187b3d3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 白猫さんさん» 仲良くなってからと仲良くなる前どっちが良いですかね?コメントありがとうございます! (2021年11月6日 20時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - レイスくんが間違えて、クルーウェル先生の私物を燃やしてしまい喧嘩をして欲しいです。 更新楽しみにしています!! (2021年10月17日 10時) (レス) id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2021年9月23日 22時