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『……っ、あ"ぁ……染み渡る……』
「やめろ。俺の部屋でおっさんみたいな声を出すな」
一日目の授業が終わり、時計の針が午後9時を回った頃。俺はデイヴの部屋に入り込んでいた。
手土産に持ってきたワインと、ワインに合うつまみ。それらをテーブルに並べ、俺たちは話に花を咲かせていた。
デイヴの部屋に置いてあるレコードからはゆったりとしたバラードが聴こえてくる。相変わらずここは居心地が良い。
酔いが回ってきた頭でそんなことを考えていると、目の前に座るデイヴがじっと俺を見る。頬がだいぶ赤くなってるから、絶対に酔ってる。飲み過ぎてる。
そろそろ寝る？と声をかけようとした瞬間に、デイヴがゆっくりと此方に来た。ワイングラスを机に置いて、ぎゅうと頭を抱き締められる。
「……死んだかと思った」
耳元でデイヴがぽつりと溢す。すぐに、いなくなった5年間のことを話しているのだと気付いた。
デイヴの顔は見えないが、頭に回された腕が小刻みに震えている。
俺もデイヴの身体に手を回し、ゆっくりと抱き締めた。腰辺りをぽんぽんと叩きながら謝る。
『ごめん。いや、だって言ったらついてくるじゃんデイヴ』
「うん」
即答ですか。
頭の上で鼻を啜る音がする。慌ててデイヴを引き剥がして確認すると、泣いてはいないものの目が若干潤んでいた。うん、ごめん。
罪悪感が湧き出てきて、もう一度デイヴを抱き締める。デイヴがもたれかかってきて、肩のあたりに頭が置かれた。
「次、勝手に俺の前から消えたら仕置きだ。……分かったか、駄犬」
『分かったよ。……ごめん、デイヴィス』
肩から「ん」と小さく声が聞こえた。
その声がやけに小さかったので、デイヴを見ると。もう既に半分くらい夢の中へと旅立っていた。……飲み過ぎだっての。
今にもオチてしまいそうなデイヴをゆっくりと抱き上げ、ベッドまで運ぶ。デイヴが俺と会うときはメイクをしない主義で助かった。
マジカルペンを一振りして服を着替えさせ、毛布をかける。その近くにあったソファに寝転ぶと、俺にもすぐ眠気が襲ってきた。
『……おやすみ、デイヴィス』
そう呟いて、もう一度マジカルペンを一振り。部屋の電気が消え、あたりは闇に包まれた。そんな中で目を瞑れば、すぐに俺の意識は沈んでいった。
次の日、俺とデイヴを強烈な二日酔いが悩ませることを、今の俺たちはまだ知らない。
初めましてー完ー。
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あいらいん - なんでこれ公式じゃないんだろうって思うくらい好き (2023年4月4日 10時) (
レス) @page43 id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
硝子ーtengitune.(プロフ) - このラジオに出れるなら私は最近泣いたの所に「プリ〇ュアで泣いた」って言いそう (2021年9月25日 20時) (レス) @page36 id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 碌無者さん» 完全な手違いですね……。消そうと思っていた方じゃない方を消してしまって……。ありがとうございます(ﾉД`) (2021年9月24日 7時) (レス) @page1 id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - あんなに書いてらしたのに続編が消えていて……手違いでしょうか？ ご愁傷さまでございます。 (2021年9月24日 1時) (レス) @page50 id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 了解です！頑張ってください (2021年9月23日 22時) (レス) id: ae4d7ce9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年9月6日 22時
