微睡のなかで ページ25
L.K
「……あー、怠い」
太陽が真上にのぼって、暖かい空気が漂う午後。後数分で授業が始まるという時間、俺は一人植物園を目指して歩いていた。
今日は午前中に必修授業が四つもあり、珍しく午前の授業は全部出席していた。……否、させられていたの方が正しいが。
兎に角、俺は疲れに疲れていて身体は休息を欲している。ラギーによると、午後は必修はない。
というわけで、俺は植物園へとやってきた。慣れた動作で、すぐに温帯ゾーンへと向かう。いつもなら誰も居らず、俺だけの昼寝場所なのだが。
生憎、今日は先客がいる。そこにいたのは、トレンドマークのような毛皮は脱ぎ、煙草を持ったクルーウェルだった。
「……キングスカラー、今は授業中のはずだが」
「うるせぇな。必修じゃねぇから昼寝しに来たんだよ」
「教師の前で堂々と言うことか？」
「お前こそ。……校内での煙草は止めろってトレインに言われてただろ」
クルーウェルは俺をそれ以上咎めようとはせず、煙を吐き出した。ここでコイツと会うのは初めてだが、やけに慣れ親しんでいる気がする。
まぁどうせ、ここら辺を喫煙所扱いでもしていたんだろうが。となると、もうすぐアイツも来るのだろうか。
新しく教師として入ってきた、あの男。どこか軽薄そうな空気はあるが、それでいて周りのことをきちんと見れるタイプ。ハーツラビュルの一年にも、似たような奴がいるが。
それがどうして、クルーウェルとあんなに仲が良いのか。タイプ的には、完全に真逆な気がするが。……いや、やっぱりコイツもやんちゃなところはあるし、気は合うのか。
「……どうかしたか？」
「いや。……俺は寝る。起こすなよ」
「だから教師の前で……。はぁ、まぁいい。煙草の匂いは平気か？」
「別に構わねぇ。好きに吸え」
何故か律儀に俺に確認して、クルーウェルはもう一度煙を吐き出した。灰色の煙がもくもくと上がって、それから薄くなって消えていく。
独特な香りが鼻腔を抜ける。一応、そういった類のものを嗜める年齢ではあるが、煙草を吸ったことはまだない。興味がないわけではないが、機会がなかったのだ。
気付けば、クルーウェルが咥えている煙草をじっと見ていたらしい。クルーウェルが俺を見て「一本いるか？」と首を傾げた。
おい待て、仮にも教師だろうが。生徒に煙草を勧めるな。そんな視線に気付いたのか、クルーウェルは人差し指を口に当てる。
「先生たちには内緒だぞ」
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あいらいん - なんでこれ公式じゃないんだろうって思うくらい好き (2023年4月4日 10時) (
レス) @page43 id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
硝子ーtengitune.(プロフ) - このラジオに出れるなら私は最近泣いたの所に「プリ〇ュアで泣いた」って言いそう (2021年9月25日 20時) (レス) @page36 id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 碌無者さん» 完全な手違いですね……。消そうと思っていた方じゃない方を消してしまって……。ありがとうございます(ﾉД`) (2021年9月24日 7時) (レス) @page1 id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - あんなに書いてらしたのに続編が消えていて……手違いでしょうか？ ご愁傷さまでございます。 (2021年9月24日 1時) (レス) @page50 id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 了解です！頑張ってください (2021年9月23日 22時) (レス) id: ae4d7ce9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年9月6日 22時
