Prologue ページ1
「はぁ！？」
魔法史の授業後。珍しく捕まったセベクやエペルたちと廊下を歩いていた時。奥の方から、そんな声が響いてきた。
グリムが腕の中で大きく身体をびくっと跳ねさせ、ジャックの耳がぴんっと立った。エースとデュースが顔を見合わせ、忍び足で音の出所に向かっていく。その後に続けば、セベクが何か言いたげに口をもにょりと動かして、結局こちらへと歩いてきた。
廊下の角からエペル、エース、デュース、俺、セベク、ジャックの順番で奥を覗き込む。気分はまるでブレーメンの音楽隊だが、言っても伝わる気はしないので心の中で留めておく。
俺たちの視線の先にいたのは1年A組担任のクルーウェル先生。魔法薬学などでもお世話になっている、先生だ。
「お前はいつも突然なんだ。……別に怒ってないけどな。うるさい、怒ってないって言ってるだろ。……は？全っ然寂しくなんてなかったが？寧ろ5年近くお前の声を聞かなくて清々してたが？」
前言撤回。やっぱりクルーウェル先生じゃないかもしれない。
片手にスマホ、もう片方の手にマグカップを持つその人は白と黒のツートーンカラーに髪の毛を染め、同じ色の毛皮を羽織っている。そこだけ見れば、クルーウェル先生だと断言できるのだが。
話し方が、いつもとは違う。電話の相手は仲のいい人なのだろうか。俺たちも話す時よりも断然、楽しそうである。……ま、それはそうだろうけど。
俺たちが見ていることに気付かず、尚もクルーウェル先生は電話口の向こうの相手と言葉を交わす。
「そのウザ絡みは相変わらずだな。変わり映えなさすぎて安心する。いい意味なわけないだろバーカ」
楽しそうに笑い声をあげて、クルーウェル先生が廊下の壁にもたれかかった。
気付かれるかもしれないと、慌てて角から顔を引っ込める。顔は見えなくなってしまったが、声は聞こえるので良しとしよう。
「……で？明日の何時に来るんだ。俺から学園長に話しておく。……9時？分かった。遅れるなよ、ダーリン」
明らかな揶揄いを含む言葉の後に続く、わざとらしいリップ音。
……クルーウェル先生がこんな風に喋る人って、どんな人なんだ？
そんな疑問は、次の日のHRで分かることになる。
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あいらいん - なんでこれ公式じゃないんだろうって思うくらい好き (2023年4月4日 10時) (
レス) @page43 id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
硝子ーtengitune.(プロフ) - このラジオに出れるなら私は最近泣いたの所に「プリ〇ュアで泣いた」って言いそう (2021年9月25日 20時) (レス) @page36 id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
チーズ鍋 - 碌無者さん» 完全な手違いですね……。消そうと思っていた方じゃない方を消してしまって……。ありがとうございます(ﾉД`) (2021年9月24日 7時) (レス) @page1 id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
碌無者(プロフ) - あんなに書いてらしたのに続編が消えていて……手違いでしょうか？ ご愁傷さまでございます。 (2021年9月24日 1時) (レス) @page50 id: 0a4b7a6801 (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 了解です！頑張ってください (2021年9月23日 22時) (レス) id: ae4d7ce9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年9月6日 22時
