ばーか!! ページ7
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「いいよいいよ。帰りな?」
なーくんにそう言われたから今日は早く仕事を終えた。
論くん編集とかしてそう。
邪魔しないよう出来るだけ音を立てずドアを開けた。
靴を揃えるのが面倒になってよく足元は見なかった。
「好きだよ」
吐息混じりの彼の声。
「はあっはあっ、私も」
ドア越しでも分かる女の荒い息づかい。
「ドア、静かに開けて正解だったな」
違う意味で気を使ったなw
向こうがうるさすぎて私の声かき消されてるしww
なにこれwwドッキリだったらわざわざ体重ねないよなw
今すぐ出て行きたいけど気が済まない。
「ただいま。論くん」
にっこり笑って2人の前に、いや論くんの前に立つ。
「へ· · ·?」
裸の女は状況を呑み込めないらしく間抜けな声を出した。
パチン!小気味良い音が鳴って女は「ひっ」と軽く悲鳴をあげる。
「ばーか!!」
驚く女の手に家の鍵を握らせ二度と来ない家を後にした。
嫌でも忘れられない。
論くんの顔。
─────あちゃーって顔してた。
バレるはずないと思ってたんだww
自然と拳を握る力が入って爪が皮膚にくい込む。
血が出ると真っ先に
゙あ!血出てるじゃんか!ほら、手出して!"
゙舐めることないでしょ"
゙自分のこと大事にして?Aは僕同然なんだから"
彼は私より私を心配してくれた。
馬鹿。私も彼も大バカ野郎。
「ばーか!!」
この言葉に全ての気持ちを込めた。
私で遊んだことが主だけど。
少しでも私に本気だったんでしょ?
遊びの相手に本気になるなんてばーか。
───────────
「痛っ!」
「へ· · ·?」
あの女と同じ声が出る。
「あ、起きた!」
「論くん?もしかして寝てた?」
「いつもより少しだけ長く」
瞬間で状況を理解して笑みがこぼれる。
「Aが泣き出して僕のことビンタするからどうしようと思ったよ」
苦笑する彼の胸に躊躇なく飛び込む。
「え、何!?」
「良かった、良かった、良かったぁ· · ·」
「よく分かんないけど良かったね」
頭を撫でる彼をやっぱり好きだな、って実感した。
──────────
(そんな夢見たの!?)
(まぁ夢だったし)
(夢だとしても夢だとしても僕がAを傷つけたのに変わりないよ。その僕は僕じゃないね。浮気するとか1回〇す?〇んだ方が世界が救われるよ)
(僕が世界を滅ぼすのと同じことするわけないじゃん)
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れもん - 更新ありがとうございます! (2021年5月21日 7時) (レス) id: 0d15cce947 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - なこ@永遠のみるく◎さん» わざわざありがとうございます・・・!頑張ります! (2021年5月16日 18時) (レス) id: 4a0bfface2 (このIDを非表示/違反報告)
なこ@永遠のみるく◎(プロフ) - 把握しました!テスト頑張って下さい! (2021年5月16日 7時) (レス) id: a5c18e4a67 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - れもんさん» ありがとうございます!頑張ります! (2021年5月9日 7時) (レス) id: 4a0bfface2 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - ありがとうございます! (2021年5月8日 11時) (レス) id: 0d15cce947 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2021年3月18日 20時