同じなはずだった。�� ページ20
『葵ひなた』
『ゆうたくん、あれなんなの。』
『UNDEAD』の皆との練習後、俺の前を歩くゆうたくんに尋ねる。
お兄ちゃんとして、俺の友達と弟は仲良くしてほしいし、女の子にあんな態度とったら駄目だしね。
そんな俺に視線もくれず、ゆうたくんはそのまま歩き続けた。
『A、傷ついた顔してたよ〜？』
「……」
『ゆうたくんってば……!?』
がしっと肩を掴んで振り向かせると、見たことない弟の顔があった。
頬を真っ赤に染めたゆうたくんは、瞬時に腕でその顔を隠す。
『えっ、本当にどうし』
「……んだよ。」
『ゆうたくん……？』
「俺とアニキは同じなはずだったんだよ。」
ぽつん、と呟く弟の声は、苦しそうで、でも少しだけ嬉しそうだった。
肩を掴んだ手の力がすうっと抜けて、ゆうたくんの腕に滑り落ちる。
「練習着で、ヘッドホンもヘアピンもしてなかったのに。それなのにAは、俺のことを『ゆうた』って呼ぶんだ。」
『……』
「アニキだって嬉しそうにしてたじゃん。Aが『アニキだけの課題』を見つけてくれたから。俺と違うところがあって、嬉しかったんでしょ……？」
『……俺は、』
「ねえアニキ、アニキには俺の気持ち……わかる？」
潤んだ瞳に見つめられ、俺は思わず言葉に詰まる。
『駄目だ』って言わないと。
俺たちはアイドルなんだから。
そんな気持ち、持っちゃいけないんだ、って。
『……わかんないよ。』
「……！」
『俺とゆうたくんは双子で、『ふたりでひとつ』なのに……今の俺には、ゆうたくんの気持ちがわかんない。』
ゆうたくんの顔が見られない。
ふいっと顔を背けて言う俺に、ゆうたくんが「そっか……」と零すと、手からゆうたくんの温もりは消えた。
しばらくして見た目の前に、愛しい弟の姿はなかった。
『……っああああぁぁ、』
地面にうずくまって、声にならない叫びが喉から出る。
やっちまった、ゆうたくんを受け入れなかった。
俺は『お兄ちゃん』なのに……
双子で、ゆうたくんの分身で、たったひとりの兄弟なのに。
ゆうたくんが、俺と似過ぎていることに少しばかり嫌な気持ちがあるのも、知ってたのに。
俺の頬がだんだんと甘い熱を帯びていくのがわかる。
その熱と無駄に高鳴る胸の鼓動を掻き消したくて、俺はぶんぶんと頭を振った。
『……言えるわけないじゃん。』
ちょっとだけわかるかも、なんて。
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生しょうが - 澪。さん» 同感です…！楽しみにしてもらえて嬉しい限りです！更新頑張ります！ (2022年9月4日 22時) (
レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
澪。(プロフ) - 司くんは丸いぐらいが可愛いですよ、😌 いつも投稿楽しみにしてます！身体には気を付けて頑張ってください〜🔥 (2022年9月4日 20時) (レス) @page38 id: ebb5373f91 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» コメントも応援もありがとうございます！ぜひぜひ楽しんでいってください！ (2022年8月18日 22時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しみに読ませていただきますね〜！ (2022年8月18日 21時) (レス) @page4 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月18日 13時
