いん・ざ・し〜♪「ぷかぷか」�� ページ39
『清海A』
『はあ？』
「待たぬか軟弱者！」
突然放たれた誘いの言葉に戸惑っていると、部室の中から刀を持った人が飛び出してくる。
……刀。かたな……は？ 刀!?
『やっ、え、刀ああああ！！』
「ちょっと颯馬くんマジでしまってそれ！ 死人！ 死人出るから！！」
「ぬかせ！ 海洋生物部の面汚しが！！」
キザな奴は私を庇うように抱き寄せて刀の人を説得する。
しかし彼は我を忘れた様子で切り掛かってきた。
本当にこいつ何したんだよ！！
『まっ待ってください！ 待たないとその刀折れますからね、私知らないですからね!?』
そういえばジャージだから胸より上に足振り上げても大丈夫だ、と思い出す。
ばっと思い切り振り上げると、カキンッという音が響いた。
『……？ あ、良かったぁ、』
刀自体は折れていなくて、持ち手にある鍔に運良く当たって床に落とせたらしい。
ほっ、と胸を撫で下ろした後、キザな奴から離れる。
『……失礼しまー』
「いやいや無理に決まってるでしょ!? この状態の颯馬くんと俺をふたりにしないで！」
『知りません私知りません！！ 現代に帯刀してる野蛮人となんて関わりたくありません！！』
がしっと手首を掴んでくるキザな奴。
振り払うのは簡単だが、さすがにこの状況からは逃げ出しづらい。
刀の人はぼーっとした様子から我に返り、刀を鞘に仕舞うと、「失敬！」と話しかけてきた。
……話しかけて、きた。怖い。
「そこの軟弱者を切ろうとして、そなたに危害を加えそうになるとは。一生の不覚！ お詫びに切腹を！」
『しないでください！ 後始末が面倒です！』
「そういう問題……？」
本当に正座し始めた刀の人を止めて、部活見学のため部室に入れてもらう。
正直もう帰りたくなったのだが、部室に入った瞬間、そんな思いは薄れてしまった。
『……綺麗』
「そうだろう！ 我が部自慢の水槽である！」
「キモいのとかもいるけど……あ、ほら、これなんて可愛くない？」
キザな奴が案内したのは、『クマノミ』の水槽。
ベタでよく知られたものだけど、やっぱりそれだけの価値はあると実感させられる。
優雅に泳ぐ姿を間近で見て、まるで海の中に入ったような感覚に陥った。
『……！ わ、こっち見た。』
「ふふ、喜んでるんじゃない？ 初めて来てくれた女の子だからね〜♪」
「それはおぬしであろう。その女生徒に近づくな。」
……可愛い。
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一織(プロフ) - 生しょうがさん» 返信ありがとうございます！！ぜひぜひこれからも応援させてください…！！ (2022年8月13日 23時) (
レス) id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - ♡ろぉる♡さん» コメントありがとうございます！一番だなんて…！嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年8月13日 18時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
♡ろぉる♡ - すごい好みの作品です！今までで一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年8月13日 17時) (レス) @page26 id: fb36bde41e (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» ありがとうございます！良ければこれからも応援してくださると嬉しいです！ (2022年8月13日 11時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 初コメ失礼します、すごく好みな作品にやっと出会えました！ありがとうございます！ (2022年8月11日 23時) (レス) @page13 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月11日 14時
