ブーメラン ページ18
そんなダーマに言い返す余裕もないAは握ったモトキの手を強く握り直し
「ごめんね····迷惑かけて」
俯き落ち込むAにモトキはみんなには聞こえない様にAの耳元で囁く
「怖がるAも可愛いからいいの。可愛くて襲いたくなる」
サラッと放たれた発言にAは耳を真っ赤にして分かりやすく狼狽え
「空の上でも相変わらず人の感情ゲージを振り回すね」
そんなAを横目にモトキはしれっと
「ちょっとヤキモチ焼いたから意地悪してみた」
その言葉に不思議そうな顔をするAを見て
「だって···高所恐怖症って知らなかったし。アスレチックの時は途中まで普通についてきてたから思ったより高くて怖がってるのかなって思ってた。···彼氏の俺が知らなくて純や和樹は知ってたと思うと焼けるね」
確かに話した事がなかった事に気付き
「あの時は撮影に夢中だったというか····和樹の代わりをしっかりやらなきゃって。モトキは魔王全開だった頃だしさ」
苦笑いを浮かべるA
「まだまだお互い知らない事が沢山あるだろうからこうやって1つずつ新たな事を知れるのは嬉しいんだけどね。····飛行機に乗りたくなかっただろうに、俺が台湾でのデート楽しみにしてたから言い出しにくかったんでしょ？」
図星をつかれたAは
「乗りたくないって言ったらモトキが落ち込むかなって···でも私もモトキと一緒に台湾デートしたかったから無理はしてないよ？大好きな人と過ごせるならこれくらい平気」
そんな健気な言葉を耳にしたモトキは嬉しそうに微笑み
「ありがとう···でも無理はさせたくないしロケとかは仕方ないけど····いつか結婚して新婚旅行に行く時は陸路経由にしよう。じゃないとAがまた片言になってフリーズしちゃうから」
こう言うとまたAは真っ赤になるんだろうな
そんな事を考えながら言葉を放ったモトキだが
「···モトキとならどこでも。····というか新婚旅行はなくてもいいの。一緒にいれたらそれだけで充分幸せ。それ以上は望まない」
そう言うと幸せそうにAは微笑み
予想していなかったAの言葉とその笑みにモトキは耳を真っ赤にして俯き
「ごめん、私···変な事言った？」
Aは俯くモトキを心配そうに見つめる
「いや···なんでもない」
今の俺は世界で1番幸せな男なんじゃないかって気がするよ
Aの幸せそうな顔を見てモトキは幸せを噛み締めていた
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作者名：JADE | 作成日時：2023年2月21日 19時
