大切なオモチャ ページ31
「フラれてませんよ。岸くんは別れたくないって言ってくれたのに···続けるのが無理になっちゃって····」
珍しく落ち込むA
その時、ワインが届き
「飲めよ。たくさん飲ませたら酔って全部白状するだろうからそれまで待つよ」
「そんなに飲みませんから。ドバイの二の舞は犯しませんよ」
「あの時は重かったなー俺めちゃくちゃ頑張って運んでやったもんな」
恩着せがましく話すマサイにAは笑い出し
「本当すみませんでした。ただ重いは余計ですよ。軽くもないけど。そういうのは女性に言っちゃ駄目だってなんで解らないかな。だからモテないんですよ本当に」
「モテなくていい。暫く彼女作る気ねぇから」
その言葉でマサイに彼女が出来る事は暫くない
そう思うと安心する自分が居た
「彼女欲しいって言ってたのに···どういう心境の変化ですか?」
ワインを口にしながらマサイに問い掛ける
「別に。今の生活が気に入ってるから無理に変える必要もねぇかなって。仲間もいるし、からかって遊べる奴もいるから毎日楽しいし」
「私はマサイさんに楽しさを提供する為に生きてないんですけど。完全に人の事をオモチャにしてるよこの人」
それが嬉しいんです。なんて言えないけど
「その代わりにこうやって飯を食わせてやるから。良い交換条件だろ?」
マサイは笑みを浮かべ楽しそうに話し
「割に合わない気がしますが···美味しい物食べれるなら···まぁいいか」
料理を前にマサイとの会話は尽きる事無く
「私達って全然会話が尽きませんね。何でだろ?」
秋人とは会話をするが途切れる事も多く
無理に話題を探したりもした
「わかんねぇ。話す事が次から次に出てくるから不思議だよ。殆どくだらねぇ話ばっかりだけどそれが楽しいんだよな」
「マサイさんは気を使わなくていいと言うか···何でも笑ってくれるから話しやすいとは思いますよ。なのにモテないんですもんね。可哀想」
「最後にさらっと反撃してくんなよ。そして何度も言うが憐れむな。その気になれば彼女なんてすぐ出来るんだから。全くモテないAと一緒にすんじゃねぇ。最後の希望の岸とも別れたんだから一生独り身確定なんじゃねぇか?」
こう言う時だけ噛まずにスラスラと話すマサイ
「大丈夫です。どうしても彼氏が欲しくなったらマッチングアプリにでも登録しますから。もう2度と職場恋愛はしません。別れた後に気まずくなるんで」
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作者名:JADE | 作成日時:2023年1月16日 22時