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「昨日の大雨でやられちゃったみたいなんですよね、この子たち」

「せっかく綺麗に咲いてくれていたのに…残念です」

「ほんとに…。…あの、すみません。もしかして、よくここ来てくださってるんですか?俺オーナーなんですけど、火曜日と金曜日は違う仕事してて、もう1人に任せてるんですよ」




かしこまって伺うようにわたしを見るその人は
オーナーの藤ヶ谷太輔ですってペコっと頭を下げたから、わたしも慌てて頭を下げた。




「…よく金曜日に寄せさせてもらってます」

「そうなんですね!いつもありがとうございます。じゃあいつも裕太かあ。あの色白の。」

「あ、はい。いつもおいしいコーヒーいただいてます」




たまもりくんとまた違った雰囲気の藤ヶ谷さんは
ほうきで散ってしまった花びらをかき集めて、
あちゃーこりゃ大変だ、なんて言いながら微笑んでいた。




「あ、立ち話ですみません!コーヒー飲んで行かれますか?」

「いえっ、今日はお花が心配で見にきただけなので…お気遣いありがとうございます」

「わざわざありがとうございます。あ、じゃあ、家でもコーヒー飲まれます?今日新しいコーヒー豆が届いて。もしよかったら数グラムどうですか?」

「そんな、」

「お礼です」




ニコッと笑った藤ヶ谷さんは落ち着いていて、ちょこっと強引に中どうぞってドアを開けてくれた。




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土曜日の昼下がり

カウンター席におじいちゃんがひとりうとうとしていて
その方以外にお客さんはいなかった。



ちょっと待っててくださいねと言った藤ヶ谷さんは
カウンターの席一つわたしのためにひいてくれて奥に消えていった。




金曜日とは景色はまるで変わらないけど、どこか雰囲気が違って
時代に取り残されたような少し寂しさのある空気。

でも豊かなコーヒーの香りは変わらない。

この空間であの本読んだら最高だろうなあなんて細々と妄想しちゃう。




カランコロン…




「たいちゃんおはよー」

「…!」




昨日ぶりの、やっぱり眠そうな穏やかな声。


ドアにかかっているベルの音に反射的に振り向くと、頭をぽりぽりしながら欠伸をしたたまもりくんと目があった。




「…っあれ、春川さん?」

「こ、こんにちは」




数秒時間が止まって、たまもりくんは目をぱちくりとさせると、また恥ずかしそうに視線をずらした。

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Chapi(プロフ) - ふーさん» ふー様 お返事が大変遅くなり申し訳ございません!素敵なご感想をくださり、ありがとうございます。私自身慌ただしい日々の中で心落ち着かせる時間って大切だなと思うので、届いてくださって嬉しいです。ゆったりではありますがこれからもよろしくお願いいたします! (2022年12月11日 21時) (レス) @page39 id: bb7ad5c321 (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - 更新ありがとうございます!このお話読んでいると私の時間までゆっくり流れるような気がして、世界が少し優しくなります。ありがとうございます!次の更新も楽しみにしています^^ (2022年10月24日 19時) (レス) @page38 id: aa1a944516 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Chapi | 作成日時:2020年9月14日 23時

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