＊ ページ16
「それいいんじゃない？」
「は？」
次の日のお昼。
昨日と変わらず、吹雪の練習場でやたら粉物ばかりが入ったパックからたこ焼きを頂きながら、あたしは吹雪と天の川の話をしていた。
あの日、何の話をしたっけ＿みたいな、そんな振りから始まって、吹雪が言うにはやっぱりあたしとアツヤがあの空は紫だ青だ言い合ってた、という答えを貰った。
ふうん、と思い出せてよかった、程度の相槌を返したら、冒頭に至ったわけだ＿主語はどこにあるんだ。
「だから、必殺技の話。天の川モチーフにしてみたらどうかな、って」
「…天の川を…？」
天の川に強そうなイメージはないのだけれど＿そう思って想像してみたら、なるほど確かにシュートの軌跡に見えなくも無い……か…？
「理由付けとか、あんまり深く考えなくていいんじゃないかな？イメージだけでも持ってやってみなよ」
「んー…まあ……じゃあ、やるだけやってみようかしら」
「うん。頑張ってね、Aちゃん」
「ん」
最後のたこ焼きを頬張って、あたしは立ち上がる＿たこ焼きのパックはあたしが持ってきたから、片付けは吹雪に押し付けた。
＊
「……とはいえ」
＿難しいものは難しい。
なんたって、具体的なイメージがないのだ＿天の川みたいに、なんて雑なイメージで必殺技が出来てたまるか。
何回か練習はしてみたけど、曖昧すぎてまるで形にならない。
…というかこれは、あたしが苦手なだけかもしれない…今のあたしが持つ技は、ほとんどが昔吹雪たちと考案して遊んでいたものだから。
幼い頃の発想力と想像力はもう無いのだ。
「…イメージ……力強い、って言ったら…なんか無いかな」
流星くらいしか思いつかないが。
…いや、別に星に関連しなくてもいいのか＿あの日の天の川、ひいてはあたしの記憶に関連するイメージを持てばいい。
「…なんて言っても、アツヤしか出てこないわね…」
いやそりゃそうだ、あの記憶において覚えているのはアツヤと言い争ったことだけで、吹雪ほど細かくなんて覚えていない。
…じゃあいっそ、アツヤをイメージしてみるか？
シュートなら、あいつはあたしたちの中で群を抜いて上手かった＿アツヤみたいなシュート、か…。
「……影を追うみたいな真似、したくないけど」
でも、だって強くなるためなのだ、仕方ないだろう＿そう自分に言い聞かせて、メモ帳にキーワードだけ書き殴って立ち上がる。
＿"天の川"、"アツヤ"。
＿＿＿＿雪崩。
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氷河吹雪(プロフ) - 更新頻度が落ちるの、めっちゃ分かります。更新お待ちしてます♪お体に気をつけて頑張ってください！あと、士郎君推しだし、この物語もめっちゃ好きです(*´∀`*) (2021年8月5日 1時) (
レス) id: 8e83b79142 (このIDを非表示/違反報告)
鈴楽(プロフ) - お話の作り方がものすごくすきです…！更新頑張ってください！ (2021年7月23日 14時) (レス) id: 11ebb13171 (このIDを非表示/違反報告)
鹿目あやな(プロフ) - 降雨ちゃんのキャラが大好きです。続き気になります、、、！頑張って下さい (2020年9月28日 1時) (レス) id: 40166c16a1 (このIDを非表示/違反報告)
天乃夕陽(プロフ) - らるさん» ありがとうございます〜！！すごくやる気が出ます…！ゆっくりになってしまいますが楽しみにしてくださると嬉しいです！ (2020年8月1日 13時) (レス) id: 498562a824 (このIDを非表示/違反報告)
らる - すごく好みのお話です；；吹雪大好きなので続き楽しみです、、頑張ってください！ (2020年7月30日 18時) (レス) id: 33bd3374cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天乃夕陽 x他1人 | 作成日時：2020年3月2日 15時
