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私が話を遮ったからか不機嫌そうに眉を顰める彼の小指がふと目に入ったので見てみると確かに小指から糸は出ていたのだが、ぶつり、と途中でその糸は切れてしまっていた。
思わずその糸に手を伸ばすも当たり前の様に糸は私の手をすり抜けてしまい自分でも分からない虚無感に襲われる
そんな様子を一部始終見ていた彼は「何しとんねん」と一言告げてゲラゲラと笑うのであった、何だよ心配してやったのに
「あ、A今日部活休みやから一緒に帰ろや、日誌書きおわるまで待っといてや！」
急に出た彼の言葉に内容を理解しないまま私は取り敢えず肯定の意を含んだ返事を返した、まぁ断る理由も無いし、最近は一緒に帰るなんて事は無かったからいいか、待った分何か奢ってもらおう
「先輩、今日一緒に帰りません？」
あっという間に放課後になり日誌を書いている彼を見守っていると教室に一人の少年が入ってきた、その少年の事を私はよく知っていた
「おぉ、ショッピ君やないか！」
こんなうるさい彼を慕い仲良くする様な後輩は一人しか居ない、確かに運動神経が良くてコミュニケーション能力も高いのだがそんな彼は部内では憧れの先輩、というレッテルを貼られ仲良くするのは恐れ多い、だなんて思われていたのだ、そんな中でも彼はこの少年、ショッピ君がお気に入りでよく絡みにいく事からショッピ君だけは後輩の中でも群を抜いて仲が良かった
そしてそんなショッピ君に私は密かに想いを抱いていた、毒舌であり冷たい対応をしつつも礼儀正しくたまに見せる笑顔に惚れたのだ、だからこそ彼の小指に繋がる先の相手が気になった
「ごめんな今日はこいつと帰るから帰られへんわ！ また今度な！」
そしていつもなら断らない筈の彼が断った事に私は思わず目を丸くした、そう言われた後輩は潔く私と彼に頭を下げて帰っていった
なんで断ったん、そんな言葉を投げ掛けようと重い口を開くもその言葉は音にして伝える事はしなかった、否 出来なかった
彼の機嫌は物凄く悪かったのだ、嬉しさで紅潮していた私の頬は機嫌が悪いと知ると一気に冷めてしまい、何かまずい事でもしてしまったか、とわたしは頭をフル回転させた
「なぁ、運命とかそういうのお前、信じるか？」
不意に掛けられた言葉に私は思わず息を呑んだ
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作者名：もぶ汰 | 作成日時：2018年7月18日 5時
