悲劇と喜劇【d！】 (ページ7)

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赤い糸の先 kn ページ7

学パロ

小指に繋がれた赤い糸、朝起きて一番最初に目が入ったものだった

結んだ覚えもないのに誰のいたずらだろうか、そんな事を思いながら糸を取ろうと糸を引っ張った、しかし糸を掴んだ感覚がしないのだ、よく見ると小指に結び目もない、私は不審に思いつつも今日は学校である事を思い出してこの変な糸のお陰で冴えた目を1度瞑って開き用意をする事にした

｢お母さん、この糸、何？｣

朝食を食べている途中にふと気になって小指を立たせて掲げお母さんに尋ねた、しかしお母さんは顔を顰めながら｢何言ってるの、寝ぼけてるんやったらもう1回顔洗い｣と呆れたという感情丸出しで返すものだから私は更に頭の中に疑問が浮かんだ、こんな目立つものが見えないのだろうか

よく見るとお母さんの小指からも例の糸は出ていてその糸はお父さんの小指と繋がっていた、そして不思議な事に二人の距離が縮まると糸も短くなっているようで糸が床に着くことは無かった、その時点でこれはただの意味の無い糸ではない事を察した

｢ほら、早く学校行きや、遅れるで｣

小指赤い糸

お母さんに急かされるがままに家を飛び出しそんなワードを頭に並べて考えながら学校へ向かう、思い付くものとしては運命の赤い糸とかいう馬鹿馬鹿しいものしか頭の中に思い浮かばず、そんなくだらない事は不意に鳴る通知音と共に考えるのをやめた

「んはは、今起きたとか遅刻コースまっしぐらやん」

その内容というものの小学校からの付き合いである仲の良い幼馴染が今起きた、なんていう何とも間抜けな内容で思わず笑ってしまった、適当に返事を返して私は電車を乗り換えし学校に無事到着する

同じクラスである幼馴染の席を見ると案の定鞄は掛かってなくて思わず苦笑いが零れた、そんな彼が来たのは一限目が始まって15分程経った時だった

「大遅刻でしたなシッマ殿」

先生に怒られた後、揶揄いの意を込めて話し掛ければ彼は私を軽く睨み上げた、シンプル怖い

高身長であり金髪蒼眼の整った顔おまけに盛り上げ上手な彼は案の定モテており彼の周りには常に人が群がっていたいつもはその輪に入るのは面倒なので遠目から見守っていたものの今日こそは揶揄いたいという気持ちが募った為真っ先に彼の席へと向かった

「いやうるさいわ！ちゃうねん！聞いてや昨日サッカーで「何となく察した分かった」

彼がサッカーの話題を出した時点で私はこの話が長くなると察して早めに切り上げる事にした、止めないと彼は面倒臭くなる