奏 −YG− 第二章

＊　(You) ページ10

男でも夫でもイエス…？
恐らく幻聴だろうね



YG「幻聴じゃないって！
男でも夫でも答えはイエス！
以上！」



どうかしているとしか思えないし睨まれている意味も分からない



「どうかしてます！
夫でもイエスって何なんですか！？」


YG「勿論今直ぐにじゃないって！」


「だとしてもです！」


YG「もういいから黙ってて！」


「無理です！」



ユンギはイライラMAXな様子だ
だけどこっちだって同じだ


軽々しく『夫でもイエス』だなんて…



YG「さっきからイライラさせられっぱなしなのに好きって何なんだよ！？」



お〜同じ事を考えてたよ〜
気が合うね〜
…って！
そんな事を考えている場合ではない！



「イライラさせてすみませんね！」


YG「その言い方！
俺をバカにしてるの！？」


「謝ってるんですよ！」


YG「へぇ…」



視線が鋭い…
痛い…



YG「一体何なんだよ…？」


「それはこっちのセリフです」


YG「あっそ
じゃあ俺の事嫌いなんだ？」



だから視線が痛いってば！



YG「へぇ…そうなんだ？」



何も答えてないじゃん！
イライラする！



YG「だったらAさんの願い事は叶えてあげられない
俺は自分の事を好きでもない人の男や夫になんてなりたくないからね」



私を見て鼻で笑ったユンギ…


悔しいけど所詮平民はシュガ様には勝てないのだ
きっとこの先何があってもこの上下関係は変わらない



「分かりました」



やっぱり頑張るんじゃなかった
次会った時絶対に笑えないじゃん


『彼女』の事がある限りこの先何度も顔を合わせるだろうに…
自分を曲げるんじゃなかったよ…


私がベッドに寝転がり布団にくるまった事で沈黙が寝室を包み込む



YG「ごめん…」



ユンギの声が微かに聞こえた
だけど聞こえないふりを決め込む



YG「ごめんって…」



聞こえない…
何も聞こえない…


その後ユンギは何度も何度も『ごめん』を繰り返した


そして…



YG「やー
ごめんって謝ってるだろ！？」



出た…逆ギレ…


つい笑ってしまった自分が憎らしい



YG「出て来いって！」



勢いよく布団をはがされた事でにやけ顔を披露してしまったおマヌケな私はユンギに睨まれた


怖い…怖すぎる…



YG「さっきの『分かりました』って何？
本当にそれでいいのか！？」




本業はBTSではなくスナイパーなのでは？
本気でそう思わせる程ユンギの視線は鋭い


だけどそうじゃなかった…

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