memory (2) ページ8
ドアの外には…真っ赤な…バラの花束……?
その時、さっきまで電話越しで聞いていたはずの、大好きな声がドアの外から。
「宅配便でーす」
え?嘘でしょ?
おそるおそる鍵に手をかけて、ちょっとだけドアを開けた。
A「…涼介?」
大きな花束に遮られて、顔は見えないけれど。
さっきの声と、花束の下の方からちらりと覗く黒のスキニーパンツは、彼がダメージを入れて、いつも履いてるやつ。
涼「わり、ギリギリ0時に間に合わなかった」
A「どうして…、」
涼「予定より撤収早巻きで終わったからさ。すっげー走ったら間に合った。最終の新幹線」
はい、って花束を渡されて、いたずらが成功した小さい子どもみたいににっこり笑う彼と、やっと目を合わせる。
涼「誕生日、おめでと、A」
A「わ、ありがと…」
涼「はっは、オバケ見ちゃった人みたいな顔してるよ」
言いながら彼は、手元にあったキャリーバッグを引きずりながら部屋に入ってきた。
A「だって、大阪にいるって言ってたから…」
涼「ちょっとそれ置いて?」
A「え?これ?」
言われるままにもらったばかりの花束をダイニングテーブルに置いたら、ぎゅう、と抱きしめられた。たった3日しか離れていなかったのに、ずいぶん久しぶりに感じる彼の匂いと、肌の感じ。おかえり、涼介。
涼「だってさ、どうしても今夜は一緒にいたかったんだもん」
急に可愛いこと言うんだから。胸の奥がきゅん、と鳴る。
涼「それにさ、早くAに会いたかった」
A「ふふ…私もだよ。大阪お疲れさま」
目と目を合わせる。鼻と鼻がぶつかって、いて、って2人でくすくす笑ったら、涼介の柔らかい唇が降ってきた。
A「ん…、」
久しぶりに身体中に走る甘い感覚に、思わず目を閉じる。
唇はくっついたり、離れたりを繰り返しながらちょっとずつ深くなっていく。
.
涼「だめだ、俺今日余裕ないかも」
気が付いたらなだれ込んでいたベッドの上で、涼介の唇が私の首筋に当たって降りていく。
.
A「…っん、」
涼「…A、」
.
少しずつ乱れていく2人の呼吸と、甘く掠れた涼介の声。
彼の指が私の中の熱を掻き回した瞬間、頭が真っ白になって、
思わず高くて甘い声を漏らしながら、背中に回した腕にきゅ、と力を込めた。
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Strawberry ryosu(プロフ) - このお話、大好きです!感情移入がしやすくて、切なくてほろ苦くて、でもキュンキュンしてますwお持ち帰りされちゃった主人公どーなっちゃうのーー!!ってなってますw更新頑張ってください♪ (2017年7月11日 18時) (レス) id: 9f7e0ffcfe (このIDを非表示/違反報告)
pakupakung7(プロフ) - あ〜〜〜〜〜気になりすぎます……(;;) (2017年7月9日 21時) (レス) id: d75980322b (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - 24話文字化けしてますよ!この作品大好きです! (2017年7月2日 23時) (レス) id: dbc0366c84 (このIDを非表示/違反報告)
りすねずみ(プロフ) - どうも、ナイトをクルージングなう。のりすねずみです。(?!)ちゃみさん!新作も本当に素敵!!更新楽しみにしてます!頑張ってください(^^) (2017年6月26日 17時) (レス) id: 4bba5de416 (このIDを非表示/違反報告)
まな - ちゃみさん!Twitterでスローモーションの感想をめっちゃ言ったまなです!覚えてますか?Twitterやめてしまってちゃみさんと関わらなくなってしまったんですけど、またこうやって関われてうれしいです!ちゃみさんの作品ずっと待ってました!次の更新も頑張って下さい! (2017年6月17日 17時) (レス) id: e22c665bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2017年5月29日 23時