ナイトクルージング・・ Kei ＊ Ryosuke ・・

night 2 ページ3

知らない携帯番号からの突然の着信。


いつもだったら出ないのに、あの日に限って通話のボタンを押したのは、どうしてだったんだろう。



.






A「もしもし、」



『もしもし、A？』




電話の向こうから聞こえたその声に、瞬間、心臓がドキン、と跳ねた。



A「………。」




『おーい、聞いてます？』




A「あ…はい、」




『なんで敬語になんのよ、』






電話の向こうでくすくす笑う、その声の甘い響き。






『あー、ごめんね、休憩中だったり？』





A「あ…うん。そう。お昼の」





『え、こんな時間に？今日ずいぶん客入ったんだね』




A「なんか連休前の週末だったからかなー、いつも以上に混んでて、」




『相葉さんも元気？会いに行きたいわ〜』



A「ん、相変わらず超元気、だよ」



『超元気なんだ、』






また、一人でくすくす笑ってる。







ってゆーか、2年ぶりだよね。
2年間、何の音沙汰もなかったよね。








A「ねぇ、いつ、」







こんな世間話より、聞きたいことがたくさんあるんだけど。







『ん？』









A「いつ、日本に帰ってきたの？涼介…」









.



別れてから初めて、彼の名前を呼んだ気がする。





『涼介』っていう言葉の響きですら懐かしいなって、



胸の奥がきゅん、って動いた。

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