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A「うーん、確かここら辺にしまった気がしたんだけどなぁ…」
倉庫の1番上の棚に、脚立に乗ってなんとか手を伸ばす。うー、すごいホコリ。
増「ねー?さっき俺も見たんだけど、見当たらなくてさ、」
下から、脚立を支えている増田くんの声がした。困ったなー、鉄板ないとチキン焼けないじゃん、なんてぶつぶつ独り言。
.
1組の文化祭の出し物は、チキンステーキ屋に決まったらしい。
増田くんがチキンステーキのおいしさを皆にプレゼンしまくった結果だって。後で加藤くんから聞いた。
そういえば夏に花火大会でみんなで食べたっけ。
.
一通り見たけど見当たらないので、とりあえず降りようかなぁと思った途端、鼻がむずむず。
A「ふぇっ、くしゅん、」
増「あぁ、ごめんごめん、降りてきて」
下から心配そうな声がして、一段一段確認しながら慎重に降りる。
増「ありゃー、ごめんね、ホコリだらけになっちゃった、」
増田くんが、大丈夫?って笑いながら私の頭をぽんぽんしてホコリを払ってくれた。
二人きりになるから、何か聞かれるんじゃないか。そしたらなんて答えよう。
そんな風に構えていた気持ちは、彼と過ごすうちに少しずつ消えていった。
増「なに…?ドキドキするんですけど」
気付いたらじっと彼の顔を見つめていて、我に帰る。
A「わ…!なんでも、ない…」
増「なんでもないのかよ、」
脈ねぇ〜、って顔をくしゃくしゃにして笑いながら倉庫を出て行く彼の背中を、慌てて追いかけた。
増「うーん、鉄板はなんとかするわ。ごめんねAちゃん、ありがと」
A「ううん、役に立てなくてごめんね、記憶が曖昧だったぁ、くしゅん」
増「はは、大丈夫?ほらティッシュ、」
A「ずびばへん」
増「うち、看板作るくらいであとは準備ないからさ、落ち着いたらシゲと手伝い行くからね」
A「ありがとう…」
うわ、もう部活行かなきゃ、って時計を見て慌てる横顔。
増田くんは優しい人だな。
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まな - お久しぶりです!良かったです!!そうなんですか!?フォローします! (2016年12月23日 21時) (レス) id: e22c665bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - まなさん» まなちゃんお久しぶりです!すきなシーンたくさん教えてくれたの励みになってるよ(^^)そうそう、Twitterの方で専用のアカウントも作ったので、よろしければそちらもどうぞ〜(*^^*) (2016年12月20日 22時) (レス) id: eeda79203d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - マコさん» マコさんコメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです( ; ; )!主人公ちゃん、わたしも幸せになってほしいと思ってます!笑 続きも頑張ります(^^)これからも宜しくお願いします☆ (2016年12月20日 22時) (レス) id: eeda79203d (このIDを非表示/違反報告)
まな - いつも返信嬉しいです!(≧▽≦)これからどうなるんだろうってすごくドキドキしてます!!笑もちろん!見守ります!いえいえ!好きなシーンありすぎましたね笑 (2016年12月12日 0時) (レス) id: e22c665bf1 (このIDを非表示/違反報告)
マコ(プロフ) - コメント失礼します!一番すきな作品です。本当に切ないんだけど甘くて、主人公ちゃんには幸せになってほしいなと思って見させていただいてます!これからも更新楽しみにしています! (2016年12月11日 15時) (レス) id: 8d15300b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2016年11月26日 23時