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唯香「塗り壁がいいんじゃない?むしろそれしかないんじゃない?」
A「やっぱりそうだよね…」
詩織「だね、塗り壁だったら顔見えないね!」
慧「……そろそろ行ってもいい?」
唯香「待って!あと3分!」
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バレーボールの試合と試合の合間。久しぶりに慧くんが学校に来た。
と言っても午後からやってきて、2つ授業を受けただけ。仕事だから、と帰りのHRが終わった途端教室を出て行く彼を呼び止めて、とりあえず彼の身長に合わせて段ボールを切っているところ。
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慧「俺、当日行けるかわかんないよ……?」
唯香「いいのいいの!用意だけはしておくから」
彼の役は満場一致で塗り壁に決まった。アイドルなのに塗り壁って。心の中では笑いが止まらない。
そんな私に気付いた慧くんが、もう!って、口だけ動かして私を見るから、ますますおかしくなってしまう。
増「Aちゃん、ちょっといい?」
突然増田くんが教室に入ってきた。
一瞬だけ彼の目線がちらりと慧くんを見ていて、胸の内側がどきりと暴れ出す。
だめ、A、冷静に、冷静に…!
A「なぁに?」
増「鉄板ってどこにしまってあるかわかる?去年Aちゃんのクラスで使ってたよね?」
A「え?外の倉庫になかった?」
増「いや、見たんだけどないの。ちょっと来て」
A「え…うん」
断るのもなんか変だし、ドキドキしているのを悟られないように、とりあえず増田くんについて教室を出ようと歩き出したら、後ろで慧くんの声がした。
慧「じゃ、俺もそろそろ行こうかな」
唯香「あ、うん…もう大丈夫、ありがと」
慧「いやいや、準備手伝えなくてごめんね、」
鞄を抱えて小走りの彼が、教室を出ようとした私と増田くんを追い抜かして、くるりと振り返った。
慧「またね、大村さん」
A「あ、うん、頑張ってね…」
増「………。」
みんながいるところで私に話しかける慧くんは久しぶりだった。
アイドルみたいな爽やかな笑顔。
隣でそんな彼を増田くんが見つめていて、なんだかもうどうしたら良いかわからない。
小走りで廊下を駆けていく背中をぼんやりと見送った。
増「Aちゃん、行こ?」
A「あ、うん…」
何も聞かないの?
喉まで出かかった言葉をごくんと飲み込んで、増田くんについていく。
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まな - お久しぶりです!良かったです!!そうなんですか!?フォローします! (2016年12月23日 21時) (レス) id: e22c665bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - まなさん» まなちゃんお久しぶりです!すきなシーンたくさん教えてくれたの励みになってるよ(^^)そうそう、Twitterの方で専用のアカウントも作ったので、よろしければそちらもどうぞ〜(*^^*) (2016年12月20日 22時) (レス) id: eeda79203d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - マコさん» マコさんコメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです( ; ; )!主人公ちゃん、わたしも幸せになってほしいと思ってます!笑 続きも頑張ります(^^)これからも宜しくお願いします☆ (2016年12月20日 22時) (レス) id: eeda79203d (このIDを非表示/違反報告)
まな - いつも返信嬉しいです!(≧▽≦)これからどうなるんだろうってすごくドキドキしてます!!笑もちろん!見守ります!いえいえ!好きなシーンありすぎましたね笑 (2016年12月12日 0時) (レス) id: e22c665bf1 (このIDを非表示/違反報告)
マコ(プロフ) - コメント失礼します!一番すきな作品です。本当に切ないんだけど甘くて、主人公ちゃんには幸せになってほしいなと思って見させていただいてます!これからも更新楽しみにしています! (2016年12月11日 15時) (レス) id: 8d15300b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2016年11月26日 23時