スローモーション4・・kei.i・・

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A「〜♪」

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イヤホンから流れてくるメロディを無意識に口ずさみながら、黙々と手を動かす。

文化祭まで1ヶ月を切って、準備が本格的に始まっていた。
とはいえみんな部活があったり、予備校があったりして、思うように準備は進んでいなかった。



今日も放課後の教室にぽつんと1人。
大きな看板を前に、手や足やあちこちに絵の具をつけながら筆を動かしていた。
しん、とした空気が落ち着かなくて、イヤホンをつけて慧くんたちの曲を聴く。





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11月に入って、この曲をテレビで聴かない日はなかった。
バレーボールの国際大会が始まって、毎晩のように中継先でこの曲を歌い踊る慧くんたちがいた。



大会が始まってから、慧くんはぱったりと学校に来なくなったし、連絡も途切れがちになっていた。

でも、テレビの向こうでマイクを握る慧くんは、笑顔で選手にインタビューしていたり、客席に座って祈るように試合を見つめていたりして、とりあえず元気そうだった。
私は毎晩のように、彼の様子をテレビでチェックするのが日課になっていた。




ついこの間は、付けっ放しにしていたワイドショーから「Hey！Say！JUMP、初のドームコンサート決定」というニュースが流れて、思わずテレビの前まで走って行った。

「史上最年少記録更新！」と華やかなテロップが踊っていて、これはもういよいよ私とは全く関係ない世界の話になってきたな、と思ってしまった。









…そんなこと言ったらまた、慧くんに「ばか」って言われちゃうかな。きっとね。









そう思ったから、すぐにそんな風に考えるのはやめたけど。

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