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A「何事……!」
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思わず呟いてしまった。
水曜日の朝、いつも通りに学校に来たら、自分の教室の前に人だかりができていた。とてもじゃないけど中に入れそうにない。一体何事。
『あ!いた!あの人だよ!』
『ほんとだ来てる!』
『顔見たーい。顔見せろ〜』
人だかりからそんな声が聞こえて、教室の中を覗き込んだり、時折携帯のカメラがパシャリと音を立てている。
そういうことか。人だかりの理由を瞬時に理解して、たまらない気持ちになった。
A「ちょっとそこどいてくださーい!入れませーん!」
思わず人だかりに叫んだ。ドアの手前にいた数人が声に気が付いて、ちょっとだけ体をずらしてくれた。隙間から、なんとか教室に入り込む。
唯香「あ、A辿り着いたか〜」
A「ちょっと何これ。朝からずっとこう?」
詩織「私たちが来た時にはもうこんな感じだったよ。なんかちょっと、やり過ぎだよね…」
後ろから2番目の窓側の席にそっと目線を送る。
そこには顔色ひとつ変えずに、黙々と課題を説いている慧くんがいた。
私の声に気が付いていたのか、ぱっと顔を上げた彼と目が合った。
慧「(おはよ)」
じっと見ていないと気が付かないくらい小さく口だけ動かして、一瞬だけ彼が笑った。途端に胸がきゅんと鳴る。久しぶりの慧くん。
月曜日の夜にメールして以来、ぐるぐるもやもやといろんなことを考えすぎた私は、結局電話も折り返せず、返信もできなかった。
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やっぱりデビューの影響は大きかった。
こないだデビューしたグループの中に、うちの高校のやつがいるらしいよ、って、
今まで慧くんにあまり興味がなかった人たちも、興味本位で集まってきてしまったらしい。
それにしたって無神経すぎるよ。ここはプライベートの場じゃないの?
人だかりを見ていたら、だんだん怒りが込み上げてきた。
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まな - お久しぶりです!良かったです!!そうなんですか!?フォローします! (2016年12月23日 21時) (レス) id: e22c665bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - まなさん» まなちゃんお久しぶりです!すきなシーンたくさん教えてくれたの励みになってるよ(^^)そうそう、Twitterの方で専用のアカウントも作ったので、よろしければそちらもどうぞ〜(*^^*) (2016年12月20日 22時) (レス) id: eeda79203d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - マコさん» マコさんコメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです( ; ; )!主人公ちゃん、わたしも幸せになってほしいと思ってます!笑 続きも頑張ります(^^)これからも宜しくお願いします☆ (2016年12月20日 22時) (レス) id: eeda79203d (このIDを非表示/違反報告)
まな - いつも返信嬉しいです!(≧▽≦)これからどうなるんだろうってすごくドキドキしてます!!笑もちろん!見守ります!いえいえ!好きなシーンありすぎましたね笑 (2016年12月12日 0時) (レス) id: e22c665bf1 (このIDを非表示/違反報告)
マコ(プロフ) - コメント失礼します!一番すきな作品です。本当に切ないんだけど甘くて、主人公ちゃんには幸せになってほしいなと思って見させていただいてます!これからも更新楽しみにしています! (2016年12月11日 15時) (レス) id: 8d15300b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2016年11月26日 23時