#18 ページ19
裕翔「松兄、サラダある？」
慧「裕翔ぉ！肉食えよ肉！」
裕翔「食事は野菜から食べたいんだよ」
慧「あはは！めんどくーせー！お前そういうとこあるよな」
A「もう酔ってる？」
慧「酔ってない〜」
折り畳みのベンチシートに隣り合わせで座っていた慧くんがにっこり笑った。いやそれ絶対酔ってるやつ、と思わずつられて笑う。
「ほら、好きなのなんでも食え」
松兄さんがボウルいっぱいのサラダを私たちの近くのテーブルにどん、と置いていった。リーフレタスのグリーンにマッシュルームの白と生ハムのベビーピンク。彩りが目にも美味しそう。
慧くんが近所の人やたまたま宿に泊まりに来ていた裕翔くんに声をかけ、BBQは賑やかに始まった。食材は全部、今夜松兄さんのお店でお客さんのために振る舞われるはずだったものだ。
私たちは手前の小さいテーブルの前に集まって先程乾杯をしたばかり。奥の方では、松兄さんと近所の人たちが数人集まって盛り上がっている。慧くんも顔見知りらしくて時々声をかけられて、愛想良く向こうのテーブルを行ったり来たりしている。
「お邪魔しまーす」
慧「お！来た来た〜！花枝さんこっち！」
「慧にーちゃん！」
花枝さんが、宿泊客で今夜予定が空いていた人たちと、それから5歳くらいの可愛い男の子を二人連れてやってきて、辺りはますます賑やかになった。
.
「かーちゃん！侑李が俺のウインナー食べた！」
「大貴ぜんぜんたべないからいらないのかと思って」
「ちげー！とっておいたんだよ馬鹿！」
「はやくたべればよかったのに。僕しらない」
「もう〜！大貴大きい声出さないの！侑李も謝りなさい！それと、大貴お兄ちゃん、でしょ！」
可愛い男の子は花枝さんの息子ちゃんたちだった。5歳の大貴くんと、１つ年下の弟の侑李くん。どうやら関係性的には弟の方が立場が上みたいだ。
慧「大ちゃん！すっげーうまいの食わせてやるからちょっと来て！」
大貴「なに…？」
にこ、と楽しそうに笑いながら、慧くんが大貴くんをBBQ台の近くに連れて行く。
慧「ほら、これ焼くの。侑李に内緒ね」
大貴「へっ！何これ！すげえ！」
べそをかいていた大貴くんの表情が、ぱぁっと明るくなった。慧くんの手に串に刺さったマシュマロがいくつか見える。さっきから影の方でこそこそ何かしてるなぁと思ったらこれだったのか。慧くん、子どもの心を掴むのも得意なんだな。
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです！ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています！ (2022年1月3日 0時) (
レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2021年5月1日 15時
