#15 ページ16
慧「はー、今日もつかれた」
A「忙しかったの？」
慧「逆だよ、暇すぎて！」
ゲストハウスからの帰り道。ほろ酔いの慧くんと歩く。
慧「今ちょうど、割と大きめの案件が終わったばっかでさ。駅前の空きビルを学習塾とコワーキングスペースにするっていうやつ」
A「あ、あれ慧くんのところでやってたんだ！一階がカフェになってる？」
慧「そうそう。俺が初めて図面から任されたんだよん」
A「えっ、すごい！雰囲気良さそうだなって思ってたの」
慧「まじ？嬉しい！あれは超頑張った」
ぴょん！と効果音がつきそうな勢いで、慧くんはこちらを振り返りにっこり笑った。
A「今そんなにすることないなら、長期休暇取っちゃえばいいのに」
慧「んーでも飛び込みの小さい依頼がいつ来るか分かんないからね。一人暮らしのじーちゃんばーちゃんちで、急に風呂壊れたーだのドア開かなくなったーだの」
そういえば、彼の職場は地域密着型にこだわっているんだっけ。
A「慧くん、お仕事好きなんだね」
慧「そだね。楽しいよ」
A「ふふ、そっか」
慧くんって、人に褒められたり認められたりしたことを、変に謙遜しないで素直に受け止められる人なんだなぁ。
いつでも素直な言葉を紡ぐ彼とのコミュニケーションは、今まであまり触れたことのない種類の居心地よいものだった。
.
慧「あれ、電気ついてる」
ドアを開けたら部屋中がニンニクを炒める美味しそうな香りで満たされていた。
カウンターキッチンの向こうにいた細身で長身の男の人が、頭に白いタオルを巻いたままでこちらを振り返った。
慧くんの中性的な雰囲気とは違う、男性的な見た目。浅黒い肌の色と、彫りの深い顔立ち。
何より背が高くて、目力がすごい。歳は私たちより一回り上の感じがするけど、とにかくものすごい男前だなっていのがシンプルな感想だった。
誰だろう？
「おぅ、遅かったな」
慧「あれぇ？父ちゃん店は？」
「今日は設備点検でランチ営業しかやってねぇって言っただろ！」
慧「そうだっけ？」
「おめーは相変わらずぼーっとしてんな」
そうか、お父さんか…！
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです！ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています！ (2022年1月3日 0時) (
レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2021年5月1日 15時
