#36 ページ37
結局私たちはほとんど丸一日モールにいて、
冬物のコートやらニットやら、買うつもりがなかったスニーカーまでいろいろ買い足してしまって、
買ったものを2人でトランクに詰めたらけっこうぎゅうぎゅうになってしまい、やばい、買いすぎた!と大笑いした。
.
A「わー、もうこんなに暗いのか」
慧「最近日が短くなったよね。じゃぁ安全運転で帰りますか」
ぶるん、とエンジンをかけてすぐ、慧くんがエアコンのスイッチを入れてくれた。さすがにちょっと冷えてきたな。買ったばかりのコート出しちゃおうか。
慧「あ、そうだ」
彼は一度締めたシートベルトを一旦外して、後部座席に手を伸ばした。はいどーぞ、と渡されたのはふわふわの白いブランケット。
A「わ、ありがとう。めちゃ準備良い」
慧「でしょ?よし、出発〜」
準備良い、っていうかすごい慣れてるな。女の子とこうやって車で出掛けることに。
ブランケットを膝にかけながらふとモヤモヤした。
これってきっと歴代彼女達もここで使ったよね。こないだ私を突き飛ばしたあの子も。
慧くんの助手席にあの子が座っているところを想像したら、ちょっとだけ胸の奥がちりちりした。
何してるの私。嫉妬だなんて変なの。
慧「ねー、帰りさ、ちょっと遠回りしてもいい?」
A「いいよ。どっか寄りたいの?」
慧「そうじゃないんだけどさ。俺けっこう運転好きなんだよ。久しぶりに遠出したからついでにドライブでも楽しもうかと」
A「わ、いいね。私助手席に乗ってるのって好き」
慧「良かった。車酔いとかしないタイプ?」
A「全然しない。三半規管めちゃ強いタイプ」
慧「ふは、それは安心」
ラジオから流れるBGMを口ずさみながら、慧くんはご機嫌にハンドルを回した。
やがて車はバイパスを抜けて、細い山道をくねくねと登り出した。私はというと、車内があたたまってきて、心地よい眠気にふわりと包まれ始めていた。こっそりあくびをしたらすぐにばれた。
慧「疲れた?寝てても良いよ」
A「ん…ねむい。」
慧「着いたら起こしまーす」
A「あい」
着いたら?ということは目的地があるんだな。
たぶんお家とは全然反対の方向に来ちゃってる気がするんだけど、まぁいいか。
ハンドルを回す綺麗な手元が、時々街灯に照らされて浮かび上がるのをうっとりと見つめながら目を閉じる。時々慧くんの鼻歌が聴こえた。
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです!ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています! (2022年1月3日 0時) (レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2021年5月1日 15時