#26 ページ27
結局、遅番ラストの23時まで慧くんはラウンジで仕事をしていた。
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A「お待たせ。お腹すいちゃったね」
慧「んぁ、もうそんな時間？」
時計を見て驚いた顔。没頭しちゃうと時間感覚がなくなるタイプらしい。本当に好きを仕事にしちゃった人なんだろうなぁ。羨ましい。
A「どっかで食べてから帰ろっか？」
慧「いいね！あっでも今日コレお客さんからもらっちゃってさ」
彼が指差した先、足元に置かれていたエコバッグに、大量の野菜が入っているのが見えた。
A「わぁこんなに！今日荷物多いなって思ってた」
慧「台所の水漏れ直しに行ったらもらっちゃったの。家庭菜園やってるお家なんだけど、今年は豊作で家だけだと食べきれないんだって。」
A「そーなんだ。そっか…」
野菜たちを見ていたら、ふと貯金残高が寂しくなってきていることを思い出した。給料日までまだあと1週間はある…
A「てきとーで良かったら何か作るから、家でご飯にする？」
慧「えっ、いいの？めっちゃ嬉しい！こないだBBQの時余ったお酒がまだ結構あるんだよね、今度こそ乾杯しよ？」
こてんとあざとく首を傾けながら、眼鏡を外して笑うその姿に、
正直相当どきんとしてしまったけど、こっそり飲み込んだ。
ぽーっとしてると吸い込まれてしまうような、不思議な魅力を持っている人だなぁとつくづく思う。ただ顔が良いだけじゃなくて、纏うオーラというかなんというか。
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さりげなく車道の方を歩いてくれている猫背を見ながらふと思った。
A「ってゆーか家でご飯するなら先帰っててもよかったのに」
慧「そうはいかないよ。謝りたかったし、それに」
A「それに？」
慧「夜道で何か…さっき以上に危ない目にあったら大変じゃん」
A「あぁ、元カノが包丁持って待ち構えてるとか？」
慧「ふは、精一杯濁して言ったのにはっきり言うなよ」
A「あはは、ごめん」
うっかり元カノなんて言っちゃったな、別れたばっかりで傷心なのにと思ったけど、今夜どことなくしゅんとしていた慧くんがやっと大きな声であははと笑ってくれたので、いくらかほっとして夜道を急いだ。
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ゐ(プロフ) - スロモからあっという間に時が経ちましたが、今年もちゃみさんの大ファンです！ビタシュガ続きの展開も楽しみにしています！ (2022年1月3日 0時) (
レス) @page47 id: e880b33f36 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - やっと、慧くんがいい感じですね。 (2022年1月1日 20時) (レス) @page47 id: a1f6031022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2021年5月1日 15時
